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原樹理は西武が獲得すれば高橋光成クラスの勝ち越し? もしプロ野球で現役ドラフトが行われたら!?

文=藤山剣

原樹理は西武が獲得すれば高橋光成クラスの勝ち越し? もしプロ野球で現役ドラフトが行われたら!?
 若手有望株の飼い殺しを防ぐために、メジャーリーグで実施されているのが「ルール5ドラフト」。ざっくり言えば、出場機会に恵まれない現役選手たちをオープンな場に出し、希望球団に獲ってもらおうというシステムだ。韓国でも似たような制度があり、日本でも選手会が要望を出し、実現に向けて検討が進められている。

 メジャーの「ルール5ドラフト」には、細かな規定があるが、それをそっくり日本球界に当てはめると、全体の規模が違うため、おそらくかなり窮屈なものになる。選手の流動性を促進し、球界の活性化につなげるという本来の目的からは外れてしまう可能性が高い。反対に、FAの人的補償レベルのプロテクト(28名)でドラフトを行えば、まだまだ義理人情が残る日本球界のこと。おそらくネットで炎上するような騒動になってしまうに違いない。

 だからこそ現役選手のドラフトを導入するとなると、さじ加減が非常に難しく、選手会とNPBサイドの折り合いもなかなかつかないのだろう。とはいえ、ここでは難しいことは気にせず、出番に恵まれない選手や、このチームに移籍したらもっと活躍しそう、といった趣旨で数人の選手をピックアップしてみた。週刊野球太郎が独断で選んだチャレンジ企画ということでおつきあいいただければ幸いだ。

移籍すれば勝ち越せる!?


 ローテーションをある程度守りながら、なかなか勝ち星に恵まれない投手。その典型的な例が原樹理(ヤクルト)だろう。2015年秋のドラフト1位入団で、1年目から先発として登板。しかし、ここまでの4年間の成績は下記のとおりだ。

2016年:2勝8敗
2017年:3勝11敗
2018年:6勝7敗
2019年:3勝7敗

 一度も勝ち越したことがないだけでなく、2018年以外は大きく負け越しているのだ。しかも、打たれまくってこの成績ならまだしも、2017年は防御率3.84、2018年は3.09と、そこそこ踏ん張っている。

 ここは、投手陣の駒不足が深刻な西武が獲得してみたらどうだろう。西武の昨季のチーム最多勝はニールで12勝1敗、防御率2.87。だが、2番手の高橋光成は10勝6敗で防御率4.51。原が1年間ローテーションを守ると仮定したら、リーグの違いはあるとはいえ、2ケタ勝利&勝ち越しを達成できる可能性は十分だ。

 西武にとっても、計算が立つ先発投手の加入は願ったり叶ったりだろう。

負傷がなければ…


 ドラフト8位指名ながら、ルーキーイヤー(2018年)の開幕戦に「2番・二塁」スタメン起用され、初安打も記録したオリックスの山足達也。しかしその3日後に、守備で走者と交錯し膝を負傷。戦線離脱を余儀なくされてしまう。

 約1カ月後に復帰し、一時的な活躍を見せるも、結局、シーズン打率は1割台。2年目の昨季も、数字を伸ばせなかった。ただ、1年目の開幕前後に見せた輝きはやはり忘れがたいものがある。環境を変えることで、開花するかもしれない。

 山足の持ち味は、まず、本職である二遊間を含む内野全ポジションを守れること。さらに、大阪桐蔭高時代には外野手の経験もあり、プロ入り後も練習には取り組んでいる。守備面のユーティリティー性は高い。

 そして、立命館大3、4年の2年間は、公式戦52試合で29盗塁を決めているように、走れる選手でもある。プロでは通算2盗塁にとどまっているが、ここは爪を隠している部分とも言える。

 こういった部分を生かすには、ロッテが合うのではないか。井口資仁監督は、指揮官就任当初から走塁全般に対してアグレッシブな姿勢を打ち出しており、大いに刺激になるだろう。また、ソフトバンク時代から、多くの内野手を育ててきた鳥越裕介コーチに磨かれれば、守備面もまだまだ伸びる余地はあるのではないか。

 鈴木大地が移籍し、内野のレギュラー争いも熾烈になるロッテなら、打力のブラッシュアップを条件に、食い込むチャンスはあるはず。最終形態は川島慶三(ソフトバンク)のような、小柄ながら内外野を守れて、足もあり、勝負強さも秘める右打者。期待は高まる。

俊足の外野手を生かすには!?


 今季のソフトバンクの外野陣は、左翼・グラシアル、中堅・柳田悠岐、右翼・中村晃といったオーダーが予想される。福田秀平がロッテに移籍したが、バレンティンが新たに加入。他にも、上林誠知や長谷川勇也、周東佑京だけでなく、場合によってはデスパイネが守備につくこともあるだろう。最強軍団のポジション争いはかくも熾烈なのだ。

 昨季、86試合に出場した釜元豪は、実績のある選手が万全なら、厳しい状況に置かれそう。それなら、他球団で活路を見出す手もある。

 また、日本ハムの谷口雄也も似たような状況に置かれている。チームの主力外野陣は、西川遥輝、大田泰示、近藤健介、王柏融とツワモノ揃い。さらに、ユーティリティーの杉谷拳士もいる。谷口の出番は限られているのが現状だ。

 2017年の開幕前に右膝の靭帯を損傷し、長期離脱を余儀なくされた谷口だが、手術、リハビリ、2軍戦を経て、2018年終盤にようやく1軍復帰。かつて、2014年には72試合で.打率268と力はある。

 この両選手が活躍できるとすれば、外野が広い甲子園を本拠地とする阪神がベターか。

 阪神は、福留孝介や糸井嘉男ら大ベテランが頑張ってはいるが、1年を通してフル出場は厳しい。外野のサブとして出ていた選手では、高山俊こそ打率.269だったが、中谷将大は打率.181、江越大賀は打率.067。昨季の釜元の打率は.220、谷口は.229なら、食い込む余地はありそう。まさに、チームの活性化につながるだろう。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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