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【2015夏の高校野球】《島根観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月14日〜26日(松江市営野球場ほか)

左右の好投手が揃い戦国化した島根の夏
迫力増した大東・原拓海の大暴れに期待

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●左のライアンに厳重警戒


 バーンと右足を大きく蹴り上げると、かかとが顔の前まで到達する。高橋奎二(龍谷大平安)や田中寛大(英明)らに続いて島根にも“左のライアン”が現れた。今春、難敵を次から次へとなぎ倒した山口大志(島根中央)は、準決勝の開星戦でも重量打線を相手にほぼストレート一本で5安打完封。しかも「調子が悪いなりによく投げた」(新田均監督)と、ここへきて勝負根性も出てきた。あとは課題の変化球が決まり出せば、手がつけられないだけに他校も警戒をゆるめない。

 春の陣を制した松江商の両右腕も力がある。打者の懐をズバッと突ける三宅拓哉、鋭角スライダーで打者のバットを狂わせる松浦有希はともに130キロ中盤の球威があり、それぞれの持ち味でストライクゾーンの周囲を支配する。

 勢いのある2年生からも目が離せない。今春に立正大淞南をシャットアウトした吉川貴大(開星)は、バランスの取れたフォームから球がピュンピュンと走り、昨秋に5回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した高野脩汰(出雲商)は、鋭い球筋で打者の手元に切れ込んでいく。さらに今春の島根大会では未登板だったが、昨夏からマウンド経験のある大型右腕・橋本和輝(石見智翠館)も不気味な存在だ。

 その他、昨秋の中国大会で米子東を完封した速球派の厚田健人(平田)、キレある直曲球を低めに集める給下寛太(三刀屋)、鋭いスライダーが武器の佐々木康希(江津)、ゲームメーク能力に定評のある規家涼太(松江北)など、公立勢の逸材右腕にも注目が集まる。


▲山口大志(島根中央)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●虹のアーチを描く高速スイング


 今春の島根大会準決勝で虹のような大アーチを描いた原拓海(大東)がすごみを増している。4月に入学以来初めて背番号1をつけるなど投手としても奮闘しているが、打者としては高速スイングから飛び出す猛打球にプロのスカウトが目を細める。通算本塁打も40本に迫っており、夏の大暴れに期待が高まる。

 強打といえば、大社の三連装砲からも目が離せない。今春は島根中央との打ち合いに敗れたが、勝負所で一撃必殺できる竹並孝基、俊足強肩の柳樂啓太、昨秋から本塁打を量産する柳原正輝の外野陣はみなスタンドに放り込める力があり、県内屈指のド迫力を誇る。

 昨夏の王者・開星は、全国屈指の身体能力を誇る遊撃手の田邨光、今春は主戦を務めるなど投攻守走に野球カンが光る石原司が健在。さらに気迫あふれる2年生の切り込み隊長・近藤一聖らも加わり、今年も強いオーラを発している。

 扇の要に目を向けると、抜群の捕手センスを誇る松田嵐生(立正大淞南)、旧チームから主軸を張る河田翔椰(島根中央)、投手としても強肩を発揮する田中将貴(石見智翠館)、今春2試合連続弾を放った高野優(松江商)など、多彩な逸材がひしめく。

 その他、昨夏に小越健太郎(関西学院大)と3者連続本塁打の記録を樹立した佐伯勇哉・金本巳輝の浜田コンビ、通算20本塁打以上を叩き込んでいる平田巧(立正大淞南)は、今夏も大技で球場を沸かせることだろう。


▲原拓海(大東)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●3強を軸に戦国の様相


 昨秋と今春の県大会ベスト4の顔ぶれが見事に入れ替わるなど、今年の島根はまさに戦国といえる。そんな中、秋は大会未出場だった松江商が一気に春の陣を制した。松浦有希、三宅拓哉というダブルエースを持っていることも好材料で、夏の連戦を乗り切るという意味でも大きな強みとなる。新田均監督の下、近年メキメキと力をつけた島根中央、昨夏の甲子園経験がある田邨光、石原司らを残す開星、全国3位になった大東中出身の選手が最上級生となった大東も優勝圏内だ。

地区勢力ピラミッド

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