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「センバツ 俺のイチオシ!」の高校はどうなった? そして今、優勝候補を予想してみる!


 3月26日の大会7日目は3試合中2試合が延長15回引き分けに終わるなど、熱戦が続くセンバツ。そろそろベスト8の顔ぶれが揃い始め、大会は佳境を迎えようとしている。

 週刊野球太郎では大会開催前に、ライター陣による『センバツ 俺のイチオシ!』という特集を行い、イチオシのチームを愛着たっぷりに紹介した。

 そこで今回は、1回戦を見終えたうえで「イチオシ」の高校がどうだったのかライター陣が答え合わせを行い、さらに優勝候補を予想してみた。ライター陣のコメントとともにお送りしよう。

「俺のイチオシ!」はどうだった!?


■日大三(東京)
 ライター陣が「俺のイチオシ!」に挙げた高校はどうだったのか? まずは落合初春氏が推した日大三。1回戦屈指の好カードとなった履正社(大阪)戦に打撃戦の末に敗れ、初戦敗退となった。

「イチオシ校に選出しながらも履正社有利と見ていたため、予想通りの結果。しかし、日大三の左腕・櫻井周斗が履正社の3番・安田尚憲、4番・若林将平から計7三振を奪った好投にはしびれた」(落合氏)

 櫻井は昨秋の東京都大会決勝で、早稲田実の清宮幸太郎から5三振を奪い、センバツでも強打者キラーぶりを発揮した。夏に期待したい。

■盛岡大付(岩手)
 森田真悟氏がイチオシの盛岡大付は、高岡商(富山)を延長10回、10対9の逆転サヨナラで下し、初戦突破。昨夏の甲子園で見せた強打の「わんこそば打線」は健在だ。

「高岡商との初戦は、打たられたら打ち返す『ザ・盛付野球』で見事にサヨナラ勝利。面白いのは取られた点の分だけ取り返し、取った点の分だけ吐き出すというスコア。最終的には相手を上回ったわけですが、見る側に緊張感を持たせるという点では、なかなかのエンターテイナーぶり」(森田氏)

 出入りの激しい野球で楽しませる盛岡大付だが、2回戦では、昨年のセンバツ優勝校・智辯学園(奈良)を8回まで0点に封じ、5対1で快勝。守備力が光る試合を見せた。戦い方に幅が出てきたのは、準々決勝の履正社戦に向けて追い風になると森田氏は見ている。

■至学館(愛知)
 加賀一輝氏がイチオシした至学館。昨秋の愛知県大会、東海大会で愛知の「私学4強」すべてにサヨナラ勝ち。ミラクルな快進撃でセンバツにやってきたが、大会初日・第1試合で市呉(広島)に延長12回、5対6で惜敗となった。

「僕のイチオシ・至学館は開幕戦で注目が集まる中、8回まで2点リード。『これでJ-POP調の校歌が聴ける!』と思ったら、残念ながら逃げ切り失敗。延長戦の末、市呉に敗れてしまいました。最後、守備妨害で結末を迎えたのも悲しかったな……」(加賀氏)

 加賀氏は健大高崎(群馬)との「J-POP調校歌」対決も楽しみにしていたが、次の機会へとお預けとなった。

■東海大市原望洋(千葉)/滋賀学園(滋賀)
 長嶋英昭が推す東海大市原望洋と、勝田聡氏が推す滋賀学園が初戦で激突。東海大市原の金久保優斗、滋賀学園の棚原孝太が投げ合う投手戦は延長14回までもつれ、6対2で滋賀学園が勝利した。

「昨年夏の、千葉大会での木更津総合との名勝負を見てから、東海大千原望洋は気にかけてきたチーム。金久保優斗は期待通りの投球を見せ、チーム全体としても最後は力尽きたが、そう簡単には崩されない様に感動を覚えた」(長嶋氏)

「滋賀学園はエースの神村月光が投げなかったものの棚原孝太が好投。注目の『打てる捕手』後藤克基は9回までは不発も最後はタイムリー。自慢の『7点打線』が最後に爆発した。7点には1点足りなかったが、次戦以降への貯金となったことだろう」(勝田氏)

 敗れたもののドラフト上位候補の実力を見せた東海大千原望洋の金久保。夏の甲子園に戻ってきて、春夏通じての甲子園初勝利をチームにもたらしたい。

 昨年のセンバツでは初出場でベスト8の滋賀学園は、着実に力をつけているところを見せた。2回戦は福大大濠(福岡)と延長15回引き分けの死闘。28日に再試合が行われる。

1回戦が終わって優勝校を予想してみた!


 1回戦を見終わったところでの週刊野球太郎ライター陣が見立てた優勝校予想は以下のようになった。

■履正社(大阪)or 大阪桐蔭(大阪)
 落合氏が優勝候補に挙げるのは、氏のイチオシ校・日大三を破った履正社。そして、履正社の宿命のライバル・大阪桐蔭という大阪勢だ。

「履正社・竹田祐、大阪桐蔭・徳山壮磨の大阪勢両エースに気合が乗ってきた。大阪桐蔭は戦前予想では『オーダーが固まらず』と見たが、よすぎて固まらない状態にまで強化してきた」(落合氏)

 西の横綱として君臨する両校がセンバツ決勝で激突となるか?

■作新学院(栃木)
 森田氏が優勝候補と睨んだのは昨夏の甲子園優勝校・作新学院(栃木)だ。

「大会前に予想した通り、作新学院が夏春連覇と見る。初戦で逆転勝利の早稲田実やスーパー2年生コンビが躍動した大阪桐蔭に気持ちが傾いたが、作新学院はスキのない好チームなだけに崩れるシーンが想像しにくい。横綱野球で頂点に上り詰めるだろう」(森田氏)

 しかし、森田氏の予想通りとはいかず、作新学院は2回戦で秀岳館(熊本)に2対3で惜敗。とはいえ、粘り強い野球をしっかりと見せつけた。次は夏の甲子園2連覇に期待だ。

■履正社(大阪)
 加賀氏は1回戦が終わって、履正社、作新学院、秀岳館が際立って強く見えたという。

「履正社、作新学院、秀岳館のうち、作新学院と秀岳館は2回戦で直接対決。勝った方が決勝まで行き、履正社と戦うと予想。優勝は昨秋の神宮大会に続き、履正社が取ると思います」(加賀氏)

 前述の通り秀岳館と作新学院の一戦は秀岳館が勝利。加賀氏の予想通り、履正社が昨秋に続き日本一を達成するのか。それとも昨年春夏甲子園ベスト4の秀岳館が悲願の日本一をつかむのか。

■秀学館(熊本)
 長嶋氏は秀岳館を優勝候補に推す。

「秀岳館は投打のバランスがとれていて、安定感と破壊力は強烈。また大会直前に鍛治舎巧監督の退任騒動が起き、影響が心配されたが、アクシデントは逆に短期決戦の大舞台でチームの結束を強める効果もあるため」(長嶋氏)

 こうしてライター各氏の予想を見ると、本命・履正社と並び、秀岳館の評価が高いのがわかる。秀岳館を率いる名将・鍛治舎監督の采配にも注目だ。

■早稲田実(東京)
 怪物スラッガー・清宮幸太郎と2年生の4番・野村大樹が打線の中核に座る早稲田実(東京)。初戦の明徳義塾戦は大会屈指の好ゲームに。9回表に2点差を追いつき、延長10回で逆転勝利を収めた。

「あの劣勢の場面から逆転勝ちするのは“何か”ある。投手が今ひとつのできだったが主戦・中川広渡を温存できたのも好印象。〈センバツは清宮のためにある〉。そんなフレーズが飛び交う大会となることを期待したい」(勝田氏)

 しかし、早稲田実は2回戦で東海大福岡と戦い、壮絶な打撃戦の末に8対11で敗退。8回、9回で計6点を奪う猛反撃を見せたがあと一歩及ばず。怪物・清宮に残されたのは、“夏”のみとなった。


 シーソーゲーム、打撃戦、投手戦、延長戦と好ゲームが続く今センバツ。大会は終盤へと入っていくが、みなさんの見立てはいかがだろうか。残りの日程を存分に味わいたい。


文・構成=山本貴政(週刊野球太郎編集部)

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