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プロ野球は後半戦が開幕した。ここから優勝争い、順位争いはますます激しくなっていく。一方、来シーズン以降を占う上で重要な要素となるドラフト会議も3カ月後に迫ってきた。各球団ファンは指名予想など妄想をふくらませる時期でもある。
本連載企画「野球太郎的成功＆失敗の法則」では聖刻の法則に一環として野球ファンの妄想の手助けになればと思い、「出身大学×球団」で相性がいいケースを3つ取り上げてみた。
今シーズン、柳裕也（中日）がブレイクを果たしている。開幕ローテーション入を果たすと、9勝（3敗）をマークし防御率2.80と安定した投球を続けている。2016年のドラフト1位が3年目にして、ついに本格化した格好だ。
その柳は明治大の出身である。プロ野球の歴史をたどってみると、明治大から中日へと入団した選手は大成した選手が多くいる。もっとも有名なのは燃える男として、巨人キラーとして、名将としてプロ野球界に名を残した星野仙一だろう。
星野以前にはフォークボールの神様こと杉下茂、メジャーリーグでもプレーした川上憲伸と中日の各時代を彩るエースたちは、不思議と明治大出身者が多かった。
また、スタープレーヤーとしてではなく、指導者として功績を残した人物には、V9時代の巨人を支えた牧野茂や現在ロッテでヘッドコーチを務める鳥越裕介がいる。
このように明治大から中日へと進み、選手として指導者として大きな実績を残している人物は多い。現役の柳、阿部寿樹、石川駿もこの系譜に続きたいところ（阿部、石川は社会人経由）。そして、今秋のドラフトでは明治大のエース・森下暢仁というドラフト1位候補がいる。はたして、中日は森下を指名するだろうか。
パ・リーグの本塁打王争いでトップを走っている山川穂高（西武）。オールスターゲームでも本塁打を放ち、セ・リーグファンにも存在感を示した。昨シーズンの活躍がフロックではないことを自身のバットで証明している。
そんな山川は富士大の出身だ。岩手県にある同大は一般的な知名度は高くないかもしれないが、プロ野球ファンそれも西武ファンにとってはおなじみの大学である。
それは山川だけでなく外崎修汰、多和田真三郎と昨シーズンのリーグ優勝を支えた選手たちの母校だからだ。2018年ドラフトでも佐藤龍世を7位で指名。同大出身の現役選手（NPBのみ）7人のうち、半分以上の4人が西武に所属している。
山川、外崎、多和田と西武に入った富士大OBは全員が一定の成績を残しており、佐藤にも同様の期待がかかる。ルーキーイヤーとなる今シーズンは21試合に出場。スタメン起用された7月7日のロッテ戦では2安打マルチに加え四球も選び3出塁。チームは敗れたものの、存在感を見せた。
「富士大×西武」は全員が結果を残しており、これまでは鉄板と言っていい組み合わせだ。佐藤も先輩たちに続くことができか。
答え合わせができる数年後を楽しみに待ちたい。
ヤクルトの高卒2年目・村上宗隆が本塁打を量産している。今シーズンは開幕スタメンを勝ち取ると、ここまで唯一の全試合出場。4番を任されるなど、大きな期待を背負っている。ファンも村上の一挙手一投足に注目していると言っていい。しかし、ヤクルトにはもうひとり期待の大砲候補がいる。2018年ドラフト2位の中山翔太である。
中山は交流戦中に1軍へと昇格し、5番を任されるなど主軸として結果を残しつつある。そんな中山は法政大出身だ。ヤクルトに在籍している同大のOBはベテランの大引啓次、正遊撃手となった西浦直亨と2人いる。どちらもチームに欠かせない存在だ。
OBを見ると稲葉篤紀（現・侍ジャパン監督）や捕手、外野手で活躍した秦真司（現・巨人コーチ）、さらには広島からトレードで加入した小早川毅彦も名を連ねる。
このように「法政大×ヤクルト」の組み合わせは相性がいい。中山も歴代の先輩同様の活躍を見せたいところ。今年の法政大のドラフト候補では、この春にリーグタイ記録となる5試合連続本塁打を放った安本竜二がいる。現時点でドラフト1位候補とは言い難いが、はたして……。
（※数字は2019年7月25日現在）
文＝勝田聡（かつた・さとし）
