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最長は25年ぶり! センバツ甲子園出場校の「お久しぶり度」を大公開!!


 第88回選抜高校野球大会(3月20日開幕)、いわゆる「センバツ」の出場校が1月29日に発表された。わずか17人のメンバーでセンバツ切符を手にした小豆島(香川)、東日本大震災の被害を乗り越えた釜石(岩手)、県内屈指の進学校として文武両道が評価された長田(兵庫)という「21世紀枠」に注目が集まるが、それ以外ではどんな顔ぶれが揃ったのか? 野球太郎名物の「ぶり順」で見ていきたい。


「ぶり順」とは?


 『野球太郎』編集部では、春夏の甲子園出場校が決定すると、その学校が「●●年ぶり」に甲子園に帰ってきたのか、その「ぶり順」を一覧にして、出場校を配列している。


2016年センバツ出場校「○○年ぶり」一覧

1位:東海大甲府 25年ぶり5回目
2位タイ:釜石 20年ぶり2回目
2位タイ:高松商 20年ぶり26回目
4位:海星(長崎) 15年ぶり5回目
5位:秀岳館 13年ぶり2回目
6位タイ:福井工大福井 12年ぶり4回目
6位タイ:日南学園 12年ぶり5回目
8位タイ:青森山田 11年ぶり2回目
8位タイ:市和歌山 11年ぶり5回目
8位タイ:東邦 11年ぶり28回目
11位:南陽工 7年ぶり5回目
12位:開星 6年ぶり3回目
13位タイ:創志学園 5年ぶり2回目
13位タイ:鹿児島実 5年ぶり9回目
15位タイ:花咲徳栄 3年ぶり4回目
15位タイ:土佐 3年ぶり8回目
17位タイ:桐生第一 2年ぶり5回目
17位タイ:関東一 2年ぶり6回目
17位タイ:智辯学園 2年ぶり10回目
17位タイ:明徳義塾 2年ぶり16回目
21位タイ:札幌第一 初出場1回目
21位タイ:いなべ総合 初出場1回目
21位タイ:滋賀学園 初出場1回目
21位タイ:長田 初出場1回目
21位タイ:明石商 初出場1回目
21位タイ:小豆島 初出場1回目
27位タイ:木更津総合 2年連続3回目
27位タイ:敦賀気比 2年連続7回目
27位タイ:大阪桐蔭 2年連続8回目
27位タイ:常総学院 2年連続9回目
31位:八戸学院光星 3年連続9回目
32位:龍谷大平安 4年連続40回目

 この数字を見れば、空白の年月を経て甲子園に帰ってきた高校が一目瞭然でわかるのが「ぶり順」の特徴。ちなみに出場間隔が長い順に配列し、間隔が同じ場合は出場回数が少ない順に並べている。

最長記録は25年ぶり


 それでは早速、この表に挙げられた32校のなかから、注目の学校を紹介しよう。今大会の「ぶり順NO.1」は、1991年以来「25年ぶり」の出場となった東海大甲府(山梨)だ。東海大甲府といえば、村中恭平(ヤクルト)や高橋周平(中日)などプロ野球選手を多数輩出し、夏の甲子園にも2014、2015年と2年連続出場中のいわゆる「甲子園常連校」。意外な「ぶり順NO.1」となったが、逆にいえば、それだけセンバツに期する思いは強いはずだ。

 通常、「ぶり順」で上位にくる学校は「久しぶりの甲子園で普段の力は出せるのか!?」といったことが議題になるが、東海大甲府に関してはそんな心配は無用のはず。春夏とも甲子園での最高成績はベスト4。普段どおりの力を発揮して悲願の決勝進出、そして優勝を目指したい。


20年ぶりで古豪復活


 2位タイは21世紀枠の釜石(岩手)と、昨秋の明治神宮大会優勝校の高松商(香川)で「20年ぶり」。

 高松商は20年ぶりにもかかわらず、今大会3番目に多い「26度目の出場」となる。初代センバツ王者でもあり、「古豪復活」という4文字がこれほど似合うチームはないだろう。

 一方の釜石は前回(1996年)出場時の校名は「釜石南」だっただけに、現校名では初めての出場となる。ちなみに、高松商も釜石も20年前は1回戦負け。まずは20年前の先輩が叶わなかった「春のかちどき」をあげたい。


「13年ぶり」を果たした名将


 4位は海星(長崎)の「15年ぶり」、5位の秀岳館(熊本)が「13年ぶり」、6位タイで福井工大福井(福井)と日南学園(宮崎)の「12年ぶり」が続く。九州勢の野球強豪校の名前が並ぶことから、いかに九州で勝ち抜くことが難しいか、を示しているともいえる。

 ここで特に注目したいのが秀岳館だ。チームを率いるのは、2014年に監督に就任したばかりの鍛治舎巧。かつて社会人野球の名門・松下電器(現パナソニック)で監督を務め、日本代表コーチも歴任したアマチュア球界きっての名将が高校野球に挑戦、ということで就任時から話題を集めた鍛治舎監督。その期待どおり、わずか2年で結果を出し、名将・鍛治舎ここにあり、を示した形だ。だが、本人にしてみれば「3年で日本一」が就任当初からの目標。まだまだ道半ば、と満足はしていない。

 そして秀岳館といえば、去就が注目されている松中信彦(元ソフトバンク)の母校(松中が在籍時の校名は八代第一)。後輩たちの吉報を受け、自身の野球人生にどんな決断を下すのだろうか?


「11年ぶり」で28度目は史上3位タイ


 8位タイの「11年ぶり」には青森山田(青森)、市和歌山(和歌山)、東邦(愛知)の3校が並んだ。

 東邦は今回で28度目の出場。これはセンバツ史上3位タイの記録だ。「ぶり順」とは離れるが、4年連続出場の龍谷大平安(京都)は史上最多の40度目の出場。前述した高松商など、古くからの甲子園ウォッチャーにとっては顔なじみが揃う大会となったのではないだろうか。


 今回は「ぶり順」という切り口で、その数字の多い学校を紹介した。もちろん、ほかにも注目すべき視点は多い。今後も「週刊野球太郎」、および姉妹サイトの「高校野球&ドラフト候補選手名鑑」で注目校、注目選手を随時紹介していく予定だ。そちらもあわせてお楽しみいただきたい。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)
1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務を経てフリーライターに転身。「エキレビ!」「R25」などでスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)、『高校野球100年を読む』(ポプラ社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。著書に『福島のおきて』(泰文堂)、『爆笑!感動! スポーツ伝説超百科』(ポプラ社)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)

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