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大記録が生まれそうなメジャーリーグ&プロ野球!来週は“春の総決算”大学選手権です!

 『今週の野球みどころランキング』は、6月第1週に注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしてください!


全日本大学野球選手権出場26校決まる。慶大・亜大は病床の恩師・仲間に捧ぐV
―――大学野球

 6月10日に開幕する『第63回全日本大学野球選手権大会』(神宮球場と東京ドームで6日間/以下、表記は大学選手権)の出場全26校が決まった。

 「勝ち点を挙げた方が優勝」となった、東京六大学リーグ最終週の「早慶戦」では、慶應義塾大が早稲田大に2戦連続で逆転勝ちし連勝。助監督から昇格したばかりの竹内秀夫新監督がすい臓疾患で療養に入り、江藤省三助監督が急遽監督代行を務めた波乱のシーズンで、6季ぶり34度目の優勝となった。

 1回戦で竹内監督の長男・竹内惇が、早稲田大のドラフト1位候補右腕・有原航平から逆転の決勝2ランを放ち先勝。さらに続く2回戦では、1回にいきなり4点を奪われたが、藤本知輝の2ランなどで3回に一挙6得点。6回裏に谷田成吾のソロ本塁打で勝ち越した。最終回には1回戦で1失点完投勝利を挙げた加藤拓也が抑えとして登板し、見事胴上げ投手となった。

 慶應義塾大は3年ぶり10度目の大学選手権出場で27年ぶりの日本一を目指す。

 東都大学リーグも最終週に「勝ち点を挙げた方が優勝」という状況となり、亜細亜大と國學院大の間で死闘が繰り広げられた。

 まず1回戦は、延長10回に國學院大が主将・山下幸輝のサヨナラ満塁本塁打で4-0と劇的な幕切れだった。続く2回戦では公式戦初先発となった亜細亜大・川本祐輔が完封勝利を挙げ、4-0と勝利。戦績は1勝1敗のタイとなり、3回戦で勝利したチームが優勝、という状況になった。

 この3回戦でも、試合は延長戦にもつれ込んだ。最後は延長10回、長曽我部竜也の決勝タイムリーで亜細亜大が勝ち越し、2-1で勝利。見事に戦後史上初と6連覇(6季連続23度目の優勝)を決め、3年連続12回目の出場となる大学選手権で、昨秋の明治神宮大会に続く「秋春連覇」を目指すこととなった。

▲優勝した亜細亜大は、厚生労働省指定の難病『黄色靭帯骨化症』で離脱した3年生右腕・花城直に捧げる優勝にもなった[写真:高木遊]

 両校の激闘の立役者となった両4年生エースには、個人表彰で最高殊勲選手と最優秀投手に亜細亜大の山?康晃が、ベストナインの投手部門では國學院大の田中大輝が選ばれ、それぞれ初受賞となった。

 先週に優勝決定プレーオフとなっていたのは2リーグ。

 まず、関西学生リーグでは立命館大と前季優勝の関西学院大の間で優勝決定戦が行われ、試合は延長14回までもつれ込む激戦の末、立命館大が8-5で関西学院大を破り、4季ぶり34度目(旧リーグを含む)の優勝を決めた。2年ぶり15度目の出場となる大学選手権では、今季6勝0敗の成績を残し、最優秀選手、最優秀投手、ベストナインの三冠に輝いたエース・桜井俊貴に期待がかかる。

 史上初のプレーオフとなった仙台六大学リーグでは、リーグ戦を同率(9勝3敗)で並んだ3校による総当たり戦で優勝が争われた。

 この大激戦のリーグを果たしたのは仙台大。初戦で東北学院大を破ると、2日後の東北福祉大との一戦も6-4で競り勝ち、67季ぶり3度目の優勝。初となる大学選手権出場を決めた。MAX152キロを誇り、リーグ戦6試合で4勝0敗、プレーオフで2戦2勝の成績を残したエース・熊原健人と、昨秋に1年生ながら三冠王を獲得し、今季も本塁打王、打点王を獲得した松本桃太郎に期待がかかる。

 九州六大学リーグでは、最終週を前に優勝へ王手をかけていた福岡大が1回戦こそ落としたものの、2回戦で西南学院大を7-5で破り、3季連続53度目の優勝を決めるとともに、5年連続27度目の大学選手権出場を決めた。

※全出場校はこのページの最後に記載しています。

田中将大8勝目! 5月大活躍で月間MVP候補に
―――MLB

 ヤンキースの田中将大が5月31日のツインズ戦に登板し、8回を投げ4安打1失点で今季8勝目を挙げた。これにより5月を5勝1敗、防御率1.88の成績で終え、月間MVPの最有力候補となった。日本人投手の月間MVP獲得となれば、野茂英雄氏(ドジャース時代の1995年6月と1996年9月)と故・伊良部秀輝氏(ヤンキース時代の1998年5月と1999年7月)に続き、3人目の受賞となる。

 また、この日の結果で、開幕から11試合連続のクオリティースタート(QS/先発投手が6回以上を投げ、自責点を3以内に抑えること)を記録。開幕からQSを続けているのはメジャーリーグでは田中のみであり、メジャーリーグ記録となっている1973(昭和48)年のスティーブ・ロジャーズ(エクスポズ)の「16試合連続」に続く史上2番目の記録となった。

 この開幕からの大活躍には、「(他選手の不調も合わせ)もしタナカが毎日先発できるなら……」という大見出しでESPNが報じているほどだ。

 レンジャーズのダルビッシュ有は、6月1日のナショナルズ戦に登板。8回を投げ、5安打12奪三振で無失点に抑え、今季5勝目を挙げた。首の張りにより5月22日以来の登板となったが、見事に役割を果たした。

 ヤンキースの黒田博樹は28日のカージナルス戦に先発。5回2/3を投げ3失点という内容だったが、味方打線の援護にも恵まれ、今季4勝目を挙げた。これで敵地での自身登板の連敗を7で止めた。

 30日のタイガース戦に登板したマリナーズの岩隈久志は、タイガースの主砲であるミゲル・カブレラに本塁打を打たれるなど、6回8安打5失点で降板。5勝目はならず、3敗目を喫した。

 また、雨天順延となっていた4月30日のヤンキースvsマリナーズの試合が、6月10日に行われることとなった。両チームがこのままの先発ローテーションでいけば、田中vs岩隈の先発対決が見られるそうだ。

金子千尋幻のノーヒットノーラン、杉内が交流戦最多勝利記録更新
―――プロ野球

 好調続くオリックスのエース・金子千尋が5月31日の巨人戦に先発。9回を投げ無安打4四球11奪三振の好投も、味方打線が巨人先発・菅野智之らに無得点。9回裏に代打を送られ、無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)達成を惜しくも逃し、チームも延長12回の激闘の末に敗れた。

 延長戦となりノーヒットノーランを逃したのは、2006年の八木智哉(当時日本ハム/現オリックス)以来11人目。この11人のうち、9回以上を無安打のまま降板して大記録を逃したのは、10回無安打だった八木に次ぐ史上2人目となった。

 翌6月1日の巨人vsオリックスでは、巨人の杉内俊哉が6回途中1失点で勝利投手になり、これで交流戦最多となる26勝目を挙げた。また、この試合でリリーフ登板した山口鉄也が1回無失点で通算199ホールド目を挙げ、これで史上初の通算200ホールドまであと1つとした。

▲4月中は打たれることも多かった山口鉄也だが、5月以降は無失点ピッチングを続けている

 現役キューバ代表の主力打者で、DeNAに入団したユリエスキ・グリエルが5月31日に来日し、6月2日には会見も行った。「すべてにおいてベストを尽くしていきたい」と意気込みを語り、対戦したい投手には前田健太(広島)の名前を挙げた。早ければ本拠地・横浜スタジアムで行われる6月6日の日本ハム戦でのデビューを予定している。昨春のWBCで来日した際は日本食が合わず2週間で5キロも体重を落としてしまったことから、球団は専属料理人の雇用も検討している。

 2軍調整中の楽天・松井裕樹は、5月31日に山形県鶴岡市で行われたイースタンリーグの西武戦に先発登板すると、6回2安打、そして毎回奪三振となる15奪三振を記録。2軍ながら、プロ野球の公式戦で初勝利となった。

 一方楽天で心配なニュースも。星野仙一監督が、原因が解明されていないことから厚生労働省が難病と指定している『黄色靭帯骨化症』であることが5月27日に判明。5月26日のヤクルト戦から、持病の腰痛を悪化させ休養していたが、このまま長期離脱となる見通しだ。この間は、佐藤義則投手コーチが「監督代行」として指揮を執る。


■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


【春のプロ・アマ野球スケジュール】

高校野球春季大会日程

北海道大会 優勝:北照高
6月5日~5日間  東北大会 @秋田県立野球場「こまちスタジアム」ほか

関東大会  優勝:山梨学院大付高
6月7日~4日間  北信越大会@富山市民球場アルペンスタジアムほか

東海大会  優勝:三重高
近畿大会  優勝:大阪桐蔭高

中国大会  優勝:広陵高
四国大会  優勝:明徳義塾高
九州大会  優勝:沖縄尚学高

大学野球情報

6月10日~15日 全日本大学野球選手権
全出場校が決定!


苫小牧駒澤大(北海道学生リーグ)
道都大(札幌学生リーグ)

富士大(北東北大学リーグ)
仙台大(仙台六大学リーグ)
東日本国際大(南東北大学リーグ)

国際武道大(千葉県大学リーグ)
山梨学院大(関甲新学生リーグ)
創価大(東京新大学リーグ)

慶應義塾大(東京六大学リーグ)
亜細亜大(東都大学リーグ)

東海大(首都大学リーグ)
神奈川大(神奈川大学リーグ)

愛知学院大(愛知大学リーグ)
静岡大(東海地区大学リーグ)
福井工業大(北陸大学リーグ)

立命館大(関西学生リーグ)
龍谷大(関西六大学リーグ)

大阪体育大(阪神大学リーグ)
奈良学園大(近畿学生リーグ)
佛教大(京滋大学リーグ)

広島経済大(広島六大学リーグ)
福山大(中国地区大学リーグ)
松山大(四国地区大学リーグ)

福岡大(九州六大学リーグ)
九州産業大(福岡六大学リーグ)
西日本工業大(九州地区大学リーグトーナメント)

▽大学日本代表選考合宿 6月20日~22日 @平塚球場

▽大学日本代表チームスケジュール
7月1日~ 3日 国内直前合宿
  5日~ 8日 練習および試合(アメリカ)
 11日~20日 第27回ハーレムベースボールウィーク(オランダ)


社会人野球日程

6月23日~4日間 JABA北海道大会 @札幌円山球場ほか

第85回都市対抗野球大会

開催中~ 東京2次予選 @大田スタジアム、神宮球場
第1代表:NTT東日本
第2代表、第3代表、第4代表:???

開催中~ 近畿2次予選 @わかさスタジアム京都ほか
第1代表:三菱重工神戸
第2代表:日本新薬
第3代表、第4代表、第5代表:???

開催中~ 東海2次予選 @岡崎市民球場
第1代表:西濃運輸
第2代表、第3代表、第4代表:???
第5代表、第6代表、第7代表:???

開催中~ 西関東2次予選 @横浜スタジアム
第1代表:東芝
第2代表:???

開催中~ 九州2次予選 @沖縄セルラースタジアム那覇ほか
第1代表、第2代表、第3代表:???

開催中~ 東北2次予選 @開成山球場ほか
第1代表、第2代表:???

6月6日~3日間 北海道2次予選 @札幌円山球場
6月4日~5日間 北関東2次予選 @太田運動公園

6月4日~6日間 南関東2次予選 @県営大宮公園
6月5日~5日間 北信越2次予選 @ハードオフエコスタジアム
6月6日~7日間 中国2次予選 @東広島アクアスタジアム
6月7日~2日間 四国2次予選 @鳴門オロナミンC球場

7月18日~12日間 都市対抗野球大会


☆プロ野球スケジュール情報★
開催中~6月22日 セ・パ交流戦

7月17日 フレッシュオールスター(長崎ビッグNスタジアム)
7月18日 オールスターゲーム(西武ドーム)
7月19日 オールスターゲーム(甲子園)

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