『野球太郎』の選手名鑑号発売!成績のいい監督が生まれやすいポジションは存在するのか検証した!
2月23日、『野球太郎Special Edition プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』が発売された。この時期に、各社の選手名鑑は続々と発売される。その傾向は持ち運びやすいように、薄く、もしくはコンパクトにという方向性が強い中、『野球太郎』の選手名鑑は304ページとボリュームたっぷりだ。
☆カラーで紹介する今年の「注目トピックス」
ひいきチームや選手の情報をチェックしていただくのはもちろん、ぜひ熟読して欲しいのが巻頭特集の「2015年注目トピックス」だ。
《ノムさんの一言を検証? ポジション別 監督の成績一覧!》
《2015年新監督就任球団 監督1年目の成績をチェック!》
《Vの条件 〜優勝の前兆はこれだ!〜》
《2015シーズン タイトル争いの行方と隠れた“珍しい”記録を追え!》
《ビッグネームが日本復帰! NPB復帰組の合格ラインとなる成績をズバリ!》
《激しいポジション争い! レギュラーを奪うのは誰だ》
《2015 注目アマチュア選手&ドラフト候補》
《もうひとつのプロ野球・独立リーグ注目選手紹介》
という8トピックスに関して、野球太郎だからこその独自&こだわり視点で、今年見逃せない球界の注目点を紹介している。
本コーナーは、そんな「2015年注目トピックス」をさらに深読みすべく、誌面から溢れてしまったこだわり情報をお届けする。
《ノムさんの一言を検証? ポジション別監督成績一覧》の深読み情報
このトピックスでは、「外野出身者に名監督なし」というノムさんこと野村克也氏の監督理論が正しいのかどうか、2リーグ制以降の歴代全監督たちの成績を現役時代のポジション別に集計。「本当に名将が多いポジションはどこなのか?」を白日のもとにする。
奇遇にも今季は投手出身(ソフトバンク・工藤公康監督)、捕手出身(楽天・大久保博元監督)、内野手出身(西武・田辺徳雄監督)、外野手出身(ヤクルト・真中満監督、広島・緒方孝市監督)と、全てのポジションから新監督が誕生したこともあり、監督1年目のポジション別成績もわかるようになっているのがミソだ。
まず、ポジション別の監督人数だけはここで明かしておこう。
投手出身監督………30人
捕手出身監督………16人
内野手出身監督……63人
外野手出身監督……44人
やはり、ポジション人数の多い内野出身監督が一番多く、レギュラーとして1人しか守れない捕手出身者一番少なかった。ただ、ここで注目したいのは投手出身監督の少なさだ。捕手の次に少なく、「野球はバッテリーで作るもの」という定説からすると意外なデータといえるだろう。
実際、今季12球団の中でも投手出身監督はソフトバンクの工藤監督のみ。セ・リーグに至っては2011年の横浜・尾花監督以降、投手出身監督は出ていない。
でも一番大事なのは、人数よりも勝率や優勝回数のはず。本書では歴代監督たちの「通算勝敗数」「通算勝率」「平均順位」「通算リーグ優勝回数」「通算日本一回数」が、出身ポジション別に詳細データでわかるようになっているので、ぜひ確かめていただきたい。
ちなみに。21世紀以降に限っていえば、外野手出身の監督(若松勉[2001年ヤクルト]、トレイ・ヒルマン[2006年日本ハム]、秋山幸二[20011、2014年ソフトバンク]、栗山英樹[2013年日本ハム])と数多く、リーグ優勝をしていたことが判明。この1点だけからも、ノムさん語録「外野出身者に名監督なし」を論破できるのではないだろうか。
また興味深かったのが、マイナー経験しかないヒルマン監督を除いて、他の4名は全員センターが本職だった、ということ。現代野球におけるセンターラインの重要性を物語っているのかもしれない。
▲真中満新監督(ヤクルト)もセンターが本職だった。復活に期待がかかる
監督に関しての掘り下げトピックスに関しては、《球団別 監督1年目の成績をチェック!》もオススメだ。ルーキー監督が好成績を収めやすい球団はどこなのかが一目瞭然! 本命に推す評論家も多いあの球団が、実は新監督年度の相性が悪かったことがわかった。こちらもぜひ要チェックを!
■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」、「AllAbout News Dig」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』(新紀元社)では構成を、『漫画・うんちくプロ野球』(メディアファクトリー新書)では監修とコラム執筆を担当している。近著に『福島のおきて』(泰文堂)。Twitterアカウントは@oguman1977(https://twitter.com/oguman1977)
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