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左右のドラフト1位投手の競演!今週末に迫った東都入替戦に懸ける両腕の決意

【この記事の読みどころ】
・東都大学リーグ1・2部入替戦は駒澤大対東洋大に決定
・ドラ1同士が先発する可能性も?プライドと意地が激突!
・打線不調の駒澤大と、打線好調な東洋大。結果はどうなる?


 11月7日から行われる東都大学リーグ1部2部入替戦(16時〜神宮球場/2戦先勝方式)。対戦カードは2年前の秋と同じ、駒澤大(1部6位)対東洋大(2部1位)となった。

 両校のエースはともに、先日のドラフト会議で1位指名を受けた。「入替戦」の冠がふさわしくないほどの、大学球界トップレベルの競演に期待が高まっている。

★満を持しての“TOYO”生活集大成

 6季ぶりの1部復帰を狙う東洋大の大黒柱は、ヤクルトにドラフト1位指名された右腕・原樹理だ。

 東洋大姫路高時代の3年夏に甲子園8強入りし、甘いルックスも相まって人気を博したが、大学入学後は極度の不調や故障が重なり、3年秋終了時点では通算わずか6勝にとどまっていた。

 だが昨秋、終盤の立正大戦。「これでダメなら野球を辞めよう」とまで覚悟して臨んだマウンドで、2日連続完封勝利を挙げた。「昔はこうやって一戦一戦を必死に投げていたよな」と吹っ切れ、眠りかけていた潜在能力が再び目醒めた。

 主将にも就任し、これまでにない決意で臨んだ今年は、春秋通じて14勝13完投という驚異的な成績を残し、1部復帰への挑戦権とプロからの最高評価を勝ち取った。

 入替戦に向けては「“TOYO”の文字が胸に入ったユニフォームで戦う7年間の集大成となる試合。2年前より良い雰囲気でチームが戦えているので、“勝てる自信”でいっぱいです」と語り、気合い十分だ。

 またこれまでは、なかなか援護射撃をできなかった打線も「勝った方が2部優勝」という拓殖大3回戦で9得点を挙げるなど、調子は上向き。増渕竜義(元ヤクルトほか)を兄に持つ左腕・増渕雅也(4年・鷲宮高)も拓殖大2回戦で完封勝利を挙げており、満を持して1部復帰を狙う。

▲打者の手元で動くシュートやカットボールなどを絶妙な制球力で投げ込む原【写真・高木遊】

★不退転の覚悟で1部残留目指す、駒澤大と今永

 DeNAから単独でドラフト1位指名を受けた直後の会見で「4年間で1番苦しかった時は?」と尋ねられ、今永昇太は「今が1番苦しいかもしれません」と正直な想いを吐露した。

 昨秋にリーグ戦7勝を挙げ、個人賞三冠(最高殊勲選手・最優秀投手・ベストナイン)を獲得。明治神宮大会でも抜群の安定感を見せて、チームを26季ぶりの日本一に導いた。

 だが今年3月に、左肩の腱板を構成する筋肉のひとつである棘下筋を肉離れし、戦線離脱。「ドラフト1位候補」として迎えた今春を登板なしで終えた。

 再起を期した今秋は実戦復帰こそしたものの、6試合に登板も先発した3試合では3敗と結果を残せず。救援に失敗した試合では、試合後に涙を流すなど苦しいシーズンとなった。

 だが、球速は147キロをマークし、三振数は投球回数22回2/3を上回る24個を挙げており、復調の兆しを見せている。

 東洋大とは打って変わって、1試合平均わずか1.58点と絶不調な打線に大きな不安を残すが、「4年生なので、調子で野球をやるわけにはいかない。何が何でも勝ちに結びつく投球がしたいです」と、今永はエースとして不退転の覚悟で入替戦に臨む。

▲最速148キロのストレートを軸に、スライダーやチェンジアップも上手く織り交ぜる今永【写真・高木遊】


文=高木遊(たかぎ・ゆう)
1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。大学野球を中心にアマチュア野球、ラグビー、ボクシングなどを取材している。高木遊の『熱闘通信(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)』随時更新中。twitterアカウントは@ you_the_ballad (https://twitter.com/you_the_ballad)

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