花咲徳栄の最速152キロ左腕・高橋昂也は埼玉大会を無双した。6試合の登板で37回無失点、52奪三振と圧巻の投球。全試合通じての被安打はわずか11。5回戦の滑川総合戦では6回を投げ、9連続三振を含む14奪三振。参考記録ながら完全試合を達成した。
そんな高橋のピッチングを各球団のスカウトも大絶賛。すでに巨人、中日、楽天のスカウトが「ドラフト1位の可能性もある」と話している。とくに巨人は、堤辰佳GM自ら決勝の聖望学園戦を視察したほど。
昨夏の甲子園、高橋は3試合で8回1失点と好投。チームを8強に導いた。しかし今春のセンバツでは、初戦の秀岳館(熊本)戦で6回6失点。最速も139キロと本来のピッチングをできなかった。それだけに今夏への思いは強い。
酸いも甘いも知り尽くした甲子園で、高橋の「今夏の無失点」がどこまで続くか注目だ!
1年時の夏の愛知大会からエース級の活躍を見せて2完投勝利、胴上げ投手となった藤嶋健人。その夏の甲子園でも先発勝利を挙げ、早くから世代を代表する投手と目されてきた藤嶋は、チームの主将として最後の夏を迎えた。
中京大中京、愛工大名電など全国屈指の強豪校が集う愛知大会。今夏は34回を投げ、わずか2失点。最速146キロのストレートにスライダー、カットボール、落差のあるナックルカーブで強打者を次々となぎ倒した。
藤嶋がすごいのはピッチングだけではない。高校通算48本塁打を放つパワーも兼ね備え、4番を任されている。昨秋の明治神宮大会初戦の秀岳館(熊本)戦ではレフトへ2打席連続の超特大アーチを放ち、チームの全得点を1人で稼ぎ出した。
愛知大会優勝後、藤嶋は「最初から絶対に優勝するんだと思っていた。最後の甲子園をみんなで思い切り楽しみたい」と語った。投げて打って、甲子園の優勝旗を手繰り寄せる!
高校ナンバーワン左腕と名高い履正社のエース・寺島成輝が、ついに甲子園のマウンドへ立つ。最速149キロのストレート、130キロ中盤〜140キロのカットボールが大きな武器だ。大阪大会では29回を投げ43奪三振と三振の山を築いた。
中学3年時に世界大会で優勝。2014年、履正社がセンバツ準優勝を果たした直後に入学。一気に黄金期到来を期待させたものの、皮肉にもそこから履正社は甲子園出場はなし。寺島にとって悲願の甲子園だ。
「負けて泣いたことはあるんですけど、勝って泣いたのは初めてです」と優勝後のインタビューで語った。
すでにドラフト1位候補に推している球団も多い。巨人の山下スカウト部長は「完投能力があってレベルも高い。将来的にチームの軸になれる投手に成長すると思う。3、4球団は競合するんじゃないか。そのくらいの左腕」とコメント。競合必至といわれる田中正義(創価大)と共に、競合になる可能性も十分にある。
「甲子園で150キロを出してみたい」とも語った寺島。大阪大会では149キロを計測し、大台は目の前。甲子園で更に一皮剥けたピッチングに期待したい!
高校ナンバーワン左腕の寺島に対し、「高校ナンバーワン右腕は誰だ?」となると、やはりこの投手の名前が真っ先に挙がるだろう。横浜のエース・藤平尚真。藤平も今回が初の甲子園出場となる。
ストレートの最速は152キロ。常に140キロ前後から140キロ台中盤のノビのあるストレートを投げ込む。また、落差十分のフォーク、縦横2種類のスライダー、スローカーブと質の高い変化球も操る。そのため、ストレートだけに頼らず変化球でも勝負できるのが強みだ。
中学生の時点でにストレートは140キロを超えていた藤平。野球以外でも、驚異の身体能力を生かして、陸上競技の走り高跳びでは全中2位、ジュニアオリンピック優勝と輝かしい記録を残している。
また、藤平は投げるだけではない。先の神奈川大会、準々決勝の横浜隼人戦では第3打席にホームラン。次の打席ではバックスクリーン左へ推定130メートルの特大満塁ホームラン。4打数4安打7打点の大暴れで打者としても非凡さを見せつけた。
履正社の寺島とは頻繁に連絡をとる仲だという。横浜と履正社の地方大会決勝が行われた朝には「2人で甲子園を盛り上げよう」とLINEで連絡を取り合い、有言実行の甲子園出場となった。
また神奈川大会優勝後のインタビューでは「寺島と投げ合いたい。自己最速のストレートを見せられるように頑張りたい」と語った。
高校ナンバーワン左腕・寺島の投げ合いはなるか? 最速更新はなるか? そして松坂大輔(ソフトバンク)以来の夏優勝はなるか? 藤平から一瞬たりとも目が離せない!