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「追加侍」は共通点多し! 戸根千明(巨人)と森唯斗(ソフトバンク)が侍ジャパン救援陣を救う



 3月5、6日に行われる侍ジャパン強化試合、チャイニーズ・タイペイ戦(5日:ナゴヤドーム、6日:京セラドーム大阪)。

 投手陣は大谷翔平(日本ハム)や藤浪晋太郎(阪神)、松井裕樹(楽天)らがメンバーから外れ、招集が噂された田中正義(創価大)もコンディション不良を理由に事実上の出場辞退。飛車角抜きとなった印象は否めない。

 一方で、追加招集を受けたのが戸根千明(巨人)と森唯斗(ソフトバンク)。2人ともアマチュア時代を含め、初の日本代表入りを果たした。

 左腕の戸根に右腕の森と利き腕こそ異なるも、ともにチームでは中継ぎを務め、気合満点の投球が持ち味。さらに今年が年男(1992年生まれの24歳、学年は森が1つ上)であるなど、共通点が多くみられる。今回は、今後の侍ジャパンの命運を握るかもしれない2人の若きリリーバーに注目したい。


右打者を抑えるサウスポー・戸根


 巨人では「ポスト山口鉄也」の1番手に挙がる戸根。パンプアップした身体から繰り出す快速球が武器のサウスポーだ。

 ルーキーイヤーの昨季は46試合に投げ、防御率2.88。イニング数に迫る奪三振数(40回2/3、39奪三振)をマークするなど、1年目からブルペン陣に欠かせぬ存在となった。

 左投手ゆえ左打者を得意とするように思われるが、戸根の場合は対右打者で真価を発揮。左打者への被打率.239(67打数16安打)に対し、右打者へは同.128(78打数10安打)という数字からも明らかだ。内角直球で懐を抉り、外角へチェンジアップを落とすパターンが出来上がっていたようだ。


スライド系のボールを軸とする森


 投げる度に「ヨシッ!」と声が漏れるほど、気迫のこもった投球を展開する森。さぞかし直球一辺倒なスタイルかと思われるかもしれないが、速球はナチュラルにスライドする“真っスラ”がほとんど。カットボールも併せて、スライド系のボールが軸だ。

 一昨年、昨季と入団から2年続けてシーズン50試合以上登板を記録。12球団トップクラスを誇る救援陣の中でも存在感を示してきた。さらに、与四球率が2.06→1.49、奪三振率は7.40→9.85にそれぞれ良化。投球の内容も進化を遂げている。


「中継ぎ専門職」としての期待


 先だって招集が決まっていた秋吉亮(ヤクルト)を含め、彼らには「中継ぎ専門職」としての期待がかかる。打者一人一殺や、イニング途中からの登板など、難しいシチュエーションでの出番もありそうだ。

 昨秋のプレミア12ではリードを守れず、苦しい展開に持ち込まれたことが何試合もあった。敗退が決定した準決勝・韓国戦も、3点リードの9回に逆転を許してしまったのは記憶に新しい。このようなことを未然に防ぐためにも、戸根や森には与えられた仕事を確実に遂行してもらいたい。

文=加賀一輝(かが・いっき)

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