11月20日、明治神宮大会・大学の部の決勝が行われ、慶應義塾大が19年ぶりの優勝を果たした。明治神宮大会には、すでにドラフト指名されている大学生たちも数多く登場。彼らの活躍を振り返ってみたい。
■慶應義塾大のドラフト指名選手
津留崎大成(投手/楽天3位)
郡司裕也(捕手/中日4位)
柳町達(外野手/ソフトバンク5位)
植田将太(捕手/ロッテ育成2位)
日本一に輝いた慶應義塾大はなんといっても柳町達と郡司裕也の3、4番コンビが躍動した。柳町が3戦3打点を挙げれば、郡司はなんと7打点。郡司は決勝で先制ホームランを放ち、勝負強さを見せつけた。
楽天3位の津留崎大成は2試合でリリーフ登板し、それぞれ1回ずつを無失点。自慢の球速は140キロ台後半に留まったが、高速変化球が冴えわたった。隠し玉的な存在だったが、意外とプロで活躍する日は早いかもしれない。
ロッテ育成2位の植田将太は春にトミー・ジョン手術を受けた影響もあり、今年の公式戦は1試合もベンチ入りしていない。
■東海大のドラフト指名選手
海野隆司(捕手/ソフトバンク2位)
今年の即戦力捕手として期待される東海大・海野隆司は4番で出場。ベスト4に進出した。1回戦の東北福祉大戦では逆転タイムリーを放ち、勝負強い打撃でも光るところを見せたが、やはり強肩は尋常じゃない。イニング間の二塁送球を含め、スキあらば刺す姿勢を見せつけた。
3戦でわずか1盗塁に抑えたが、海野の肩をかいくぐって盗塁を決めたのは、中央大の五十幡亮汰(3年)。中学時代には全国中学校陸上競技選手権大会100メートル、200メートルを制し、「サニブラウンに勝った男」として佐野日大高から注目を集めた韋駄天だ。こちらも来季が楽しみな存在になりそうだ。
■東北福祉大のドラフト指名選手
津森宥紀(投手/ソフトバンク3位)
圧巻の投球を見せたのは、東北福祉大のサイド右腕・津森宥紀。1回戦・東海大戦の7回にリリーフで登板し、7、8回をピシャリ。しかし、9回に味方の失策で2死満塁のピンチを招くと、自身の投ゴロ失策でサヨナラ負け。涙を飲んだ。
打者12人に対し、6奪三振の投球は見事だったが、最後の送球はかなり心許なかった。投球の実力に対し、3位の指名はやや低く感じたが、そういった点もスカウトは見逃さなかったのだろうか。
■九州産業大のドラフト指名選手
福森耀真(投手/楽天5位)
やや残念な結果に終わったのは楽天5位の福森耀真。金沢学院大との初戦に先発したが、4回途中3失点で降板し、試合にも敗れた。
初回は149キロを記録するなど、力投型のよさが出ていたが、2回以降、やや数字が落ちてきたのは今後の課題。それでも重そうなボールを投げ込んでおり、変化球の曲がりも大きい。何より自慢のお尻が大きかった。大化けに期待。
■大阪商業大のドラフト指名選手
橋本侑樹(投手/中日2位)
大西広樹(投手/ヤクルト4位)
小野寺暖(外野手/阪神育成1位)
ドラフト指名投手を2人擁する大阪商業大だったが、1回戦で東海大札幌キャンパスに0対2で惜敗した。
先発したのはヤクルト4位・大西広樹。2回途中で1失点だったが、アンラッキーな当たりもあった。しかし、やや気になったのは関西での試合より、体が浮いていたこと。本拠地になる神宮のマウンドが合わなかった可能性もある。
2回途中からマウンドに上がった中日2位・橋本侑樹は6回1失点でゲームメイクをした。スルッとタイミングを外し、右打者外角を斬る投球は見事。
阪神育成1位の小野寺暖は4打数0安打に終わった。
文=落合初春(おちあい・もとはる)