日本先制時=6勝5敗
日本被先制時=2勝5敗
全18試合を調べた結果、韓国に先制された試合で、「日本が逆転勝ちを収めた」のは、2007年の北京五輪アジア予選と2009年WBC第2ラウンドのなんと“たった2試合のみ”と判明した。本文最下部に詳細なスコアを記したので参照していただけるとありがたい。
そして、2試合はどちらも序盤の2回での逆転。どうりで「日本大逆転」の記憶がないわけだ。
逆に日本は先制してから5度の逆転負けを食らっている。それもすべて中盤から終盤での大逆転。「逆転負けが多い」というイメージはやはり正解だったのだ。
「野球はシーソーゲームになることもあるだろう」とのお叱りの声を受けそうだが、韓国にリードを許した後、試合中に「一度でも」リードを奪い返したケースは、逆転勝利を収めた2試合以外では皆無である。
つまり、その他のリードされた場面ではそのまま敗北するか、追いつくのがやっとで逆転には結びつかなかったということだ。とりわけ、試合中に1度でも2点以上のリードを許した場合はなんと全敗している。
ちなみに1999年以降のサッカー日本代表の主要試合(親善試合を除く五輪予選、東アジアカップ、アジアカップなど/A代表&U−23)を調べてみると、先制時は3勝1敗、被先制時は2勝3敗2分だった。
サッカーにはPK戦やスコアレスドローもあり、そもそも競技が違うので一概に比較するのは野暮かも知れないが、サッカー日本代表は先制点を見事に生かし、被先制時も2度の逆転勝ちを収めている。重要な試合だけをピックアップすれば、「先制を許したとしても互角の戦いをしている」と言っても過言ではないだろう。
今回のU−23日本代表のように、侍ジャパンにもいつかは日韓戦での「大逆転勝利」を期待したい。もちろん先制勝利が一番望ましいのかも知れないが、たとえ先制されたとしても終盤に試合を引っくり返す展開は“血湧き肉躍る”もの。
プレッシャーのかかる韓国戦でも「逆転する胆力」。それこそが侍ジャパンの物足りなさを埋めるひとつのカギになるのではないだろうか。
★野球日本代表(侍ジャパン)日韓戦スコア
≪決勝リーグ≫
日本|000|201|000|3
韓国|000|103|10X|5
(先制→敗北)
≪予選リーグ≫
韓国|400|000|100|2|7
日本|200|010|200|1|6
(被先制→敗北/延長10回)
≪3位決定戦≫
日本|000|000|001|1
韓国|000|000|03X|3
(被先制→敗北)
≪決勝リーグ≫
日本|001|001|000|2
韓国|000|000|000|0
(先制→勝利)
≪第1ラウンド≫
韓国|000|010|020|3
日本|110|000|000|2
(先制→敗北)
≪第2ラウンド≫
韓国|000|000|020|2
日本|000|000|001|1
(被先制→敗北)
≪決勝ラウンド≫
日本|000|000|510|6
韓国|000|000|000|0
(先制→勝利)
≪決勝リーグ≫
日本|021|000|010|4
韓国|100|100|010|3
(被先制→勝利)
≪予選リーグ≫
韓国|000|000|203|5
日本|000|002|001|3
(先制→敗北)
≪準決勝≫
日本|101|000|000|2
韓国|000|100|14X|6
(先制→敗北)
≪第1ラウンド≫
日本|350|122|1|14
韓国|200|000|0| 2
(先制→勝利/7回コールド)
≪第1ラウンド≫
韓国|000|100|000|1
日本|000|000|000|0
(被先制→敗北)
≪第2ラウンド≫
日本|000|010|000|1
韓国|300|000|01X|4
(被先制→敗北)
≪第2ラウンド≫
日本|020|000|031|6
韓国|100|000|100|2
(被先制→勝利)
≪決勝≫
日本|001|000|110|2|5
韓国|000|010|011|0|3
(先制→勝利/延長10回)
韓国|000|000|000|0
日本|000|010|000|1
(先制→勝利)
≪1次ラウンド≫
韓国|000|000|000|0
日本|020|011|01X|5
(先制→勝利)
≪準決勝≫
韓国|000|000|004|4
日本|000|300|000|3
(先制→敗北)
文=落合初春(おちあい・もとはる)