■本命
丸佳浩(広島)
122試合:打率.314(478打数150安打)/21本塁打/82打点/12盗塁
つい先日までは今季の広島の新4番・鈴木誠也がMVPの本命と見られていたが、ケガで無念の離脱。本命に一気に浮上したのは丸佳浩だ。
2013年に盗塁王の獲得はあるが、これまで打撃タイトルなし。しかし、今季は打率、打率ともリーグ3位と射程圏内。安定感あるプレーは評価が高く、2014から2015年はリーグ最多四球を選び、今季も70四球を選んでリーグ4位。守備面も含め、タイトル外のスタッツも極めて優秀で選出濃厚だ。
■対抗
田中広輔(広島)
122試合:打率.294(493打数145安打)/5本塁打/51打点/29盗塁
対抗は広島の投手陣から選びたかったがMVP受賞に至るほどの成績を残している選手はなし。と、なると田中広輔が対抗だ。鈴木誠也に票が残ったとき、浮上の目がある。
今季は打撃の迫力を増し、72四球は丸を上回るリーグ3位。昨季から積極性も継続し、リーグトップの29盗塁と走りまくっている。ここから9月の大活躍があれば、ギリギリ逆転可能か。
■大穴
鳥谷敬(阪神)
118試合:打率.300(400打数120安打)/3本塁打/37打点/7盗塁
阪神が優勝した場合、非常に悩ましい。本来ならメッセンジャーが有力だが、ケガで離脱中。飛び抜けた成績を残した選手はいないため、秋山拓巳と鳥谷敬の二者択一になりそうだ。
これまでの貢献を考えると鳥谷が一歩リードか。昨季の不振から立ち直り、スタメンを張り続ける力を取り戻した上、阪神ファンからの支持は熱烈。投票する記者の情に訴えかけるものもある。
しかし、秋山も11勝4敗の好成績を残しており、貢献度はかなり高い。秋山がいなかったら、先発陣は崩壊していただろう。9月に4勝以上を挙げれば、受賞の可能性は十分にある。
(成績はすべて8月31日時点)
文=落合初春(おちあい・もとはる)