交流戦の10勝を振り返って見ると、先発投手の金子千尋、ディクソン、松葉貴大、山岡泰輔がそれぞれ1勝を挙げている。残りは黒木優太の3勝をはじめとして、リリーフ投手に勝ちがついた。
逆に8敗の内容は、先発の金子、ディクソンがそれぞれ2敗、松葉、山岡が1敗ずつ喫している。リリーフ陣では佐藤達也と黒木が1敗だ。
先発投手の勝利となると、6月4日に山岡が勝利して以来、交流戦明の6月25日のロッテ戦で西勇輝が勝利するまで、勝ち星がつかない状態だった。
なお、今季の投手陣の勝数上位は、先発陣では金子が6勝、ディクソンが5勝。リリーフ陣では黒木が5勝となっている。
ここまで先発が勝てないのは、投手が踏ん張れないというわけではなく、打線の援護点が少ないのが大きな原因だ。
チーム打率は.256でリーグ4位、590安打は3位とまずまずの成績だが、239得点は5位、231打点も5位となっている。ヒットは出ているが、効果的に得点につなげられていない。
また、ヒットが出ても単打が多い。さらにタイムリーヒットもなかなかでないという状況だ。
6月16日の横浜スタジアムでのDeNA戦。オリックスは10安打で3得点。一方、DeNAは8安打で6得点。安打数では上回っているが得点に差がついてしまっている。今シーズンはこういう試合が何度もある印象だ。
オリックスの打線はロメロを中心に、小谷野栄一や中島宏之、T-岡田らがポイントゲッターとなっている。そのなかでチームトップの34打点を挙げているのはT-岡田。しかし、リーグでは14位。トップの柳田悠岐(ソフトバンク)は64打点で30打点もの差がある。
今シーズンのT-岡田は打率.303、17本塁打と打撃好調。しかし、この安打数と本塁打数にしては、打点が伸びていない。
本塁打の内訳を見ると17本塁打のうち、ソロ本塁打が12本。これはリーグトップのソロ本塁打数となる。走者を置いての本塁打は2ランが3本、3ランが2本、満塁が0本。つまり、走者がいるときに打てていないということだ。
得点圏打率.245もはっきり言って物足りない。
6月28日の楽天戦に敗れて、オリックスの自力優勝の可能性が消滅。しかし、諦めずにここから浮上するためには、得点力のアップが必要だ。
チャンスで打つT-岡田の姿を頻繁に見ることができれば、おのずと順位も上がっていくはずだ。
(成績は6月28日現在)
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。