甲子園本番直前! 各地区の代表校が続々と決定し、地元市町村の盛り上がりは増すばかりだ。
さて、近年の甲子園では「○○打線」の愛称が減ってきている気がする。かつては「やまびこ打線」(徳島・池田)、「黒潮打線」(千葉・銚子商)、「牛鬼打線」(愛媛・宇和島東)など、カッコイイネーミングの打線が数多くあった。
それらの「○○打線」はいつだって少年少女の心に響く戦いを見せ、地域を背負って立つ意思が見られたものだ。
しかし、なかなかカッコイイ二つ名を考えるのも難しい。2009年のセンバツで話題になったのは、鵡川(北海道)。その名も「ししゃも打線」だ。
むかわ町はししゃもの一大産地。「ししゃも祭り」は当然のこと、「ししゃもパーク」という公園があるなど、町を挙げてのししゃも推し。「弱そう」と話題になった「ししゃも打線」だが、「むかわ町=ししゃも」を全国に広める素晴らしい機会となった。
地方創生が叫ばれる今、そういった「○○打線」がもっとあってもいいのではないだろうか?
そこで今回、甲子園出場校所在地の「ふるさと納税」の返礼品を見て、いくつか「○○打線」を(勝手に)考えてみた!
【青森】
八戸学院光星(八戸市)/いちご煮打線
野球部のグラウンドがあるのは八戸市美保野。美保野といえば、美保野ポークが有名。ソーセージなどの加工品がふるさと納税にラインアップされている。
また、お礼の品のなかには八戸の郷土料理「いちご煮」の缶詰も。「いちご」という響きからゲテモノを想像しがちだが、いちご煮はウニとアワビのお吸い物。赤らんだウニが野いちごのように見えることから命名されたという超豪華なお吸い物だ。
八戸学院光星は過去には北條史也(現阪神)と田村龍弘(現ロッテ)がクリーンアップを組むなど、毎年、豪華な打線を形成している。スカウトがヨダレを垂らす「いちご煮打線」は今年も見られるか。
【山形】
鶴岡東(鶴岡市)/だだちゃ豆打線
「食の都」とも呼ばれる庄内平野に位置するだけあって、半端じゃない数の返礼ギフトが並ぶ鶴岡市。この時期が旬の特産といえば、なんといっても「だだちゃ豆」。甘み、コク、すべてが上質すぎる“キング・オブ・枝豆”。食べ始めると止まらない。
今年の鶴岡東は打ちまくって甲子園出場を決めた。打ち始めると止まらない、無数にヒット(豆)が飛び出す「だだちゃ豆打線」と命名。
【埼玉】
花咲徳栄(加須市)/ボルダリング打線 or ジャンボこいのぼり打線
ふるさと納税の特典で目を惹くのは、加須市体育館でのクライミング(ボルダリング)体験。体育館内に日本一の規模のクライミングウォールが設置されており、今春にはクライミングワールドカップも開催された。苦難を乗り越え、高みを目指す甲子園。「ボルダリング打線」でいかがだろうか。
また、5月の加須市民平和祭では全長100メートル、重さ330キロの「ジャンボこいのぼり」が毎年揚げられる。こちらもふるさと納税の返礼で遊泳係体験ができる。「ボルダリング打線」か「ジャンボこいのぼり打線」か悩ましい。
【長野】
佐久長聖(佐久市)/リアルカープ打線
佐久の名物といえば、鯉料理。ふるさと納税にも鯉の甘露煮などが並ぶ。好調の広島東洋カープをも食らいそうな「リアルカープ打線」。
【鳥取】
境(境港市)/妖術打線
山陰有数の港町として知られ、海鮮を中心にお礼の品が揃う境港市。『ゲゲゲの鬼太郎』の作者である水木しげる氏の出身地でもあり、ふるさと納税にも当然、鬼太郎グッズあり。近年は苦戦が続く鳥取県勢だが、全国強豪を煙に巻くような「妖術打線」に期待。
文=落合初春