ロッテはここまで落ち込んだ要因はいくつも考えられるが、まずは今季の攻守のチーム成績を見てみたい。
■オフェンス関連のチーム成績
◆打率.226(リーグ6位)
(※リーグ1位は楽天、ソフトバンク、西武の打率.263)
◆52本塁打(リーグ6位)
(※リーグ1位はソフトバンクの122本塁打)
◆328得点(リーグ6位)
(※リーグ1位は西武の505得点)
◆出塁率.294(リーグ6位)
(※リーグ1位はソフトバンクの出塁率.338)
◆37盗塁(リーグ4位)
(※リーグ1位は西武の89盗塁)
順位が順位だけに、各数値がこういう状況なのは自明の理。個人で見ても、規定打席到達選手は鈴木大地だけで、チーム三冠王も鈴木(打率.250、10本塁打、43打点)とまさに孤軍奮闘。ほかの日本人選手の不振もそうだが、開幕からパラデス、ダフィーの両外国人が機能しなかったのも痛かった。
■ディフェンス関連のチーム成績
◆防御率4.44(リーグ6位)
(※リーグ1位はソフトバンクの防御率3.27)
◆356与四球(リーグ最多)
(※リーグ最小は楽天の280与四球)
◆失策:62失策(リーグ5番目の多さ)
(※リーグ最小はソフトバンクの30失策)
やはり、涌井秀章(防御率4.15で3勝9敗)、石川歩(防御率5.07、3勝9敗)、唐川侑己(防御率4.32、4勝10敗)といった実績のある先発投手陣の不振が響いている。もちろんこの貧打だから援護のない試合もあったが、防御率を見てもわかるように、単純に打ち込まれているのが実情。期待値の高かったドラ1の佐々木千隼も防御率5.61で2勝7敗とチームに貢献できず。
ロッテのチーム成績は、8月14日終了時点で102試合を消化し33勝68敗1分、勝率.327。1950年以降の球団最低勝率は1983年の.361だが、このままではワーストを更新してしまう可能性も十分だ。阻止するには、8月15日以降の残り41試合で19勝22敗以上の成績が必要となる。
ここまでネガティブな話を続けてきたが、ポジティブな材料がないわけではない。8月のチーム打率は.269と上向き加減で、中でも、不振で5月3日に2軍に落ち、6月に1軍復帰して以降、打率.328と当たっている加藤翔平。同じく故障が癒えて8月は打率.439と打ちまくっている角中勝也ら、浮上のきっかけを作れる選手もいる。
また、チーム最年長の井口資仁が今季限りでの現役引退をすでに表明しており、これもチームがまとまれる材料になる。
5年間、ともに戦ってきた監督の退任の手土産が「球団史上最低勝率」ではあまりに寂しい。ロッテナインの今後の粘りに期待したい。
(成績は8月14日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)