週刊野球太郎
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#007 12球団合同トライアウトを見に行った!

 こちらは『野球太郎』を発行するナックルボールスタジアム株式会社の活動を紹介するコーナーです。
 今回は、ときどき編集部にお手伝いに来てくれるライターのアマノ君が、先日9日にKスタ(宮城)で行われた「12球団合同トライアウト」の様子をレポートしてくれましたのでこちらに掲載いたします。この件に関してはすでにたくさんの報道がなされておりますが、当日の雰囲気をお伝えしたいと思います。  ちなみに、今回のトライアウトは、巨人入団後メジャーを含む日米7球団を渡り歩いたベテラン・木田優夫投手(44歳)や、ヤクルトで戦力外になった一場靖弘投手、さらに元オリックスの古木克明選手など、総勢56名が参加し、話題となりましたね。次回、2回目の合同トライアウトは、21日に千葉・鎌ケ谷の日本ハムの施設で行われます。

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●突撃!トライアウト紀行(『野球太郎』ライター・アマノ)

 今回は、2012年 第1回トライアウトの模様をレポートしに、クリネックススタジアム宮城を訪れた。ちなみに個人的には初のKスタ訪問。軽い球場フェチの自分は、写真撮ろう! 球場グルメも! ……と正直うわついたテンションだったが、しかしこの日はトライアウト。観光ムードなど言語道断のピリピリムードが漂っているのでは、と若干気を引き締めての仙台入りとなった。


 Kスタに到着すると、既に多くのファンが入り口に長蛇の列をつくっている! どうやら10時開門らしい。基本的には地元のおじさん層メインの客層だが、夫婦で来ていたり、親子で訪れたりと、意外とのほほん系の雰囲気。

 スタンドに入ると、選手のユニフォーム、横断幕、兵器のようなカメラを構えた女性ファンも多く、想像していた悲壮感というよりは、ちょっとしたお祭り的な雰囲気すらあった。いいのか!?



ファンが、ネットが待ち望んだ古木


 そんな熱いファンたちの視線をひときわ集める男がいた。そう、未完の大砲・古木克明(元オリックス)である! 2009年にオリックスを退団し、その後はなぜか格闘技に転身。さらにどういうわけか野球への再転向を宣言し、2年連続のトライアウト参加となった。

 そんな古木が打席に立つたび、大きな歓声が飛ぶ。「古木、初球、初球だ!」「よし!」ひとつひとつのプレーに一喜一憂するファンたち。だが、結局古木はこの日ヒットを放つことはできなかった。さらに、ウイークポイントの守備では、丹羽将弥(元オリックス)の放った平凡なサードゴロをファンブル……。古木は、悔しそうだった。しかしファンはもっと悔しそうだった。

 「野球太郎」のアカウントで古木の様子をツイートするたび、たくさんのリツイートやコメントが殺到。「2ちゃんねる」の掲示板にも発言がアップされるなど、やはり世間が古木情報を渇望していることを痛感させられた。さすがだぜ、古木。がんばれ!

嵐を呼ぶ男、一場!


 未完の大器はここにもいた。一場靖弘(元東京ヤクルト)。明治大学在学中に、「栄養費」問題で大騒動を起こし、楽天入団後も結局は期待されたほどの結果を残せなかったあの男が、Kスタのマウンドに帰ってきた。名前がコールされると、スタンドからは大きな拍手。と、その瞬間、止んでいたはずの雨が降ってきた。まさに嵐を呼ぶ男。

 マウンド上の一場は、苦しんでいた。変化球はワンバウンド、直球は走らず。やっぱり、一場はあの頃のままなのか……?

 結果としては4人のバッターと対戦し、ヒット1本を打たれたものの、空振り三振を奪うなど力投した一場。果たして、彼の苦難の野球人生に、続きはあるのだろうか? 一場、がんばれ!
 なお、一場が降板した瞬間にピタリと雨が止んだ。天の演出に、スタンドがざわめいた。

登場! 裏声おじさん


 中村真人(元東北楽天)が打席に入るたび「なかむらァ〜!」と叫ぶおじさん。いつも声が裏返って、スタンドの爆笑を誘っている。

気をよくしたおじさんは渡辺正人(元千葉ロッテ)、山口祥吾(元千葉ロッテ育成)の対戦に「ロッテばっかりじゃねえか! ロッテ同士でやってもしょうがねえや!」とロッテ球団の大量解雇を指摘(その後、来季の戦力外選手まで予想!)。一場には「いいぞ!来年は横浜で先発要員だ!」となかなかリアルなエール、朝井秀樹(元東北楽天)には「よし! 来年は横浜で先発要員だな!」とまさかのテンドンをかますというご機嫌ぶりであった。



選手の魅力を再発見


 この他にも、誰も経歴を覚えていなかった謎の外国人投手、ルイス・ゴンザレス(元横浜→高知ファイティングドッグス)の球場表示で178キロの豪速球(もちろん誤作動)、野原祐也(元阪神)の気迫のヘッドスライディング、柴田亮輔(元オリックス)の積極果敢な盗塁など、印象的なプレーがたくさんあった。

 今回、合同トライアウトをはじめて見たことで多くの収穫があった。選手たちの必死のプレーを見ることで、その選手の魅力を再発見できたという嬉しさ。また、一人一人の選手たちの運命を決する場面に立ち会っている、という臨場感を感じることで、再び野球に惹かれる自分を発見できたことだ。改めて選手たちに、感謝の気持ちとエールを送りたい。

 これを書いている11日時点で、有銘兼久(元東北楽天)、丹羽将弥などに獲得報道が出ているようだが、果たして契約を勝ち取る選手はどれほど出てくるのか。全力で戦った選手たちの今後に期待したい。

文=天野俊吉(ライター・編集者)

それではまた来週!

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