このシーズンオフ、いくつかの野球映画が公開され話題となった。カナダの日系人野球チームを描いた『バンクーバーの朝日』。元高校球児がマスターズ甲子園で聖地に立つ『アゲイン 28年目の甲子園』。戦前、日本統治下の台湾から甲子園に出場した嘉義農林を描いた『KANO〜1931海の向こうの甲子園〜』。野球ファンにとっては例年よりも楽しめたシーズンオフになっただろう。
ケビン・コスナー主演による、今でも語り継がれる不朽の名作。「それを作れば彼が来る」という声を聞いた主人公は、自らのとうもろこし畑を切り開いて野球場を作る。するとそこに現れたのは、かつて「ブラックソックス事件」で球界を追われた選手たちだった……。特に主人公が若き日の父とキャッチボールをする場面は、この映画屈指の名シーンだ。アメリカのみならず、日本でもヒットし第14回日本アカデミー大賞で最優秀外国語作品賞を受賞している。
ワールドシリーズ制覇から30年以上見放されているクリーブランド・インディアンスを舞台にした映画。
寄せ集めのチームがマイアミ移転を狙う女性オーナーの目論みを阻止するため、結束して快進撃を続ける。そして、ニューヨーク・ヤンキースとの優勝を懸けた一戦に臨む。続編の『メジャーリーグ2』では、とんねるずの石橋貴明が日本人選手タカ・タナカ役で出演し話題を呼んだ。
なお、実際のインディアンスは映画公開後に低迷期を脱し、1995年には41年ぶりのア・リーグ優勝を成し遂げた。
昨年、惜しまれつつ亡くなった高倉健が中日ドラゴンズの監督・内山役で出演した作品。中日にトレードされた元ヤンキースの大物選手ジャック・エリオットだったが、日米の野球観の違いや自らの高いプライドもあって監督の内山とことごとく対立する。
日本に来て親密になった女性の実家を訪問すると、そこにいたのは女性の父である内山だった。そして、ジャックは内山からある事実を聞かされ、次第に考えを改めていく。
鈴木保奈美演じる新聞社のプロ野球担当記者・沢木霞と、真田広之演じる峠を越えたヤクルトスワローズのベテラン選手・轟仁太の恋愛を描いた物語。2軍落ちした轟は引退を決意するが、霞の言葉で目を覚まし自らのプライドのため奮起する。脚本・野島伸司、プロデューサー・大多亮とフジテレビのトレンディドラマを支えたスタッフ、キャストが結集した。武田鉄矢が当時のヤクルト監督・野村克也をモデルにした梶原監督を熱演している。
大ヒットした佐藤隆太主演の高校野球ドラマ「ROOKIES」の続編として作られた映画。高校3年となったニコガク野球部のメンバーは新入生2人を加え、最後の夏へと挑む。
勝ち進み、決勝で対戦したのはエース・安仁屋の中学時代の因縁の相手・川上を擁する笹崎高校だった。5点差をひっくり返して臨んだ最後の守り。あと1人となったところでマウンドの安仁屋は号泣する……。
ラストシーンとなる卒業式の場面での、川藤先生に対して一人ずつ感謝の言葉を述べるシーンに涙した人は多いはずだ。
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