昨季は大忙しのシーズンを過ごした筒香。まずはDeNAで138試合に出場中、134試合で4番を任された。
そのなかで一昨年の打率.300に続き、2015年は.317を記録。チームで2年連続打率3割を記録した打者は、2008年から10年の内川聖一(ソフトバンク)以来。左打者では1997年から99年の鈴木尚典まで遡る。
主砲としての豪快な一発が印象的だが、場面に応じてコンパクトに打ち分けられるアベレージヒッターとしても高い能力を誇るのが筒香だ。
シーズン終了後の「プレミア12」でも、打点を量産する中田翔(日本ハム)とともに、「侍JAPAN」の中軸としての重責を立派に果たした筒香。
しかし、守備ではまずいプレーがあった。前述のドミニカ戦の7回裏、先頭打者が放ったフェンス手前のフライをレフトの筒香が見失い、エンタイトルツーベースになり、その後の打者に2ランを浴びて同点に。さらには15日のベネズエラ戦で、2回表無死一、三塁の場面で、ファウルフライに追い付きながらも捕球できず…と、思い出したくもない失策を犯してしまった。
さらに筒香は、野球漬けの日々を過ごす。「プレミア12」が終了して1週間後の11月29日には、ドミニカ共和国へ武者修行へ。休息する間もなく
、ウインターリーグで実戦経験を積んだ。
結果は10試合に出場して34打数7安打、打率.206、0本塁打、2打点と結果は残せなかった。しかし、主力選手にもかかわらず、敢えて厳しい経験を積むために海外へ向かった姿勢は大いに称賛すべきだろう。
昨季、DeNAは前半戦首位ターンから、最下位でシーズンを終えるなど、史上初の屈辱を味わった。
また、交流戦では3勝14敗1分で勝率.176は12球団最低。さらに延長戦に至っては11連敗を記録し、1995年に近鉄に並ぶプロ野球ワースト記録を樹立してしまった。
言ってしまえば、昨季は全てに勝負弱かった横浜DeNAベイスターズ。チームが生まれ変わるかどうかは、筒香嘉智のバットにかかっているといっても過言ではない。
文=野球太郎編集部