野球ファンなら誰もが知っている「ハマの○○」と言えば、今年惜しまれつつも現役引退したDeNAの顔、三浦大輔の「ハマの番長」だろう。
三浦のアイドル・矢沢永吉氏が横浜にゆかりのあるアーティストであること、また強いリーダーシップを発揮する三浦のキャラクターとトレードマークのリーゼントが相まって「ハマの番長」と呼ばれるようになった。「ハマの○○」シリーズの最高傑作にふさわしいネーミングだ。
ほかにも全国区のニックネームといえば、佐々木主浩の「ハマの大魔神」だろう。このニックネームは根強く親しまれ、現在は新守護神・山崎康晃のニックネーム「小さな大魔神」に引き継がれている。
特定の選手にだけ使われるのではなく、世代が変わっても脈々と引き継がれるニックネームがある。
「ハマの切り込み隊長」「ハマの核弾頭」は一番バッターに定着した選手に冠されるニックネームだ。元々は石井琢朗(現・広島コーチ)につけられたニックネームだが、現在は桑原将志に引き継がれようとしている。
またキャッチャーには「ハマの司令塔」が。これは横浜時代の谷繁元信(前・中日監督)につけられたニックネームだ。これが二塁手や遊撃手で比較的小柄な選手の場合は「ハマの牛若丸」となる。
現在、ローテーションの一角を担う井納翔一(=写真)のニックネームは「ハマの宇宙人」だ。また中継ぎの加賀繁(=写真)はその無骨なルックスから「ハマのゴエモン」と呼ばれている。そして、昨シーズンに登録名を変更して大きな話題を呼んだのが後藤G武敏(昨シーズンの登録名は「後藤武敏G.」)。「G.」は彼のニックネーム「ゴメス」の「G.」だ。そこから後藤も「ハマのゴメス」とも呼ばれている。
彼らのニックネームはそれぞれのキャラが立ちすぎているが故についたものなので、「ハマの」がつかなくても成立しそう。「ハマの」が必要かどうかは極めて微妙だ……。
また番外編としては、「ハマの」を強引につけて、微妙な出来となったものを挙げたい。現在DeNAを離れ、社会人野球のセガサミーに在籍する赤堀大智は、その風貌から「ハマのチンピラ」と呼ばれた……。そして筆者的には吉村裕基(現・ソフトバンク)の「ハマのモンチッチ」が印象深い。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)