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今季の東都大学リーグを、ドラフト候補の活躍ぶりとともに振り返ります!最後には「東都あるある」でクスッと

これまで2回行われた『TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会』(2回目の簡易レポートはこちら)は、東都大学リーグを愛する皆さまとともに大変な盛り上がりを見せたのではないかと思います。

先週より、東都大学リーグの入れ替え戦にスポットを当てた連載を皆さまにお届けしています。こちらを読んで、入れ替え戦までの日々を過ごして頂ければと思います。また、東都大学リーグや入れ替え戦に興味を持ち、神宮球場に足を運んでいただく方がいらっしゃれば、ありがたく思います。


☆今春の東都リーグを振り返って
 今季の1部は最後まで優勝の行方が分からない、厳しい戦いとなりました。

 …実はこの文章を書いている時点では、優勝が亜細亜大なのか、それとも駒澤大なのかわかっていません。
(※5月30日に亜細亜大学が勝利したことで、勝率で駒澤大を上回り、逆転で4季連続優勝を達成しました)

 駒澤大は2年生エース・今永昇太投手が大きな柱となり、開幕から6連勝という大活躍。打っては福山亮選手がチーム1の打点を稼ぐなど、投打ともに安定した成績を見せて首位街道をひた走ります。


▲今シーズン大活躍した駒澤大・今永昇太投手


 リーグ3連覇中の亜細亜大は、九里亜蓮投手、山?康晃投手の2本柱に加えてルーキーの諏訪洸投手らリリーフ陣も層が厚く、投手力は1部で一番と言えるほど。

両校が勝ち点を落とさずに迎えた直接対決は、2勝1敗で駒澤大が勝利。これで駒澤大が一挙にリーグ制覇に前進したかと思われました。

 最終カードで勝ち点を挙げれば優勝となる駒澤大。しかしここで國學院大が意地を見せます。エースの杉浦稔大投手をケガで欠く中、同じく4年生の道産子左腕・柿田竜吾投手が奮闘。野手陣も援護し、目の前で胴上げはさせまいと熱戦を繰り広げた結果、駒澤大から勝ち点を奪います。


▲リーグ戦終盤に維持を見せた柿田竜吾投手(國學院大)


 こうして一時は消えた自力優勝の芽が亜細亜大に復活。
 そしてどうなるのか――といった状況です。

 熾烈な優勝争いの一方で、最下位に沈んでしまったのが今春から1部に戻ってきた専修大。ともに勝ち点0だった青山学院大と、負ければ最下位決定というカードに挑むも2連敗。今春はわずか1勝に留まり、再び入れ替え戦に臨むことになりました。

 そしてその相手となるのが拓殖大。

 幸先のいいスタートを切って開幕から白星を積み重ね、早くも第5週目の5月8日には優勝を決めました。拓大については次回に詳しく振り返ります!

 2部降格後初めてのシーズンとなった東洋大は、開幕から2カード連続で勝ち点を落とす展開。しかし終わってみればそこから6連勝で勝ち点3、2位でリーグ戦を終了しました。後半にかけてはバッテリーが安定して、追いかける展開となっても打ち勝つ野球で強さを見せました。


▲スタートはもたついたが、後半は“らしい”戦いぶりを見せた東洋大


 続いて3部は、順天堂大が4連覇。近年、入れ替え戦の常連だった大正大、今季は5位に沈んでしまいました。順天堂大は高原和弘投手、大石泰輔選手がそれぞれ投打の中心となり、チームを引っ張っています。

 優勝に向けての大一番となった学習院大戦では3戦連続零封。防御率リーグ上位のサイドスロー左腕の相原渉投手、右本格派の坂寛太投手らを攻略し、2勝1分で勝ち点を4に。最終週の成蹊大にも2連勝して完全優勝を決めました。

 3校で構成される4部では東京工業大が勝ち点を落とさず、こちらも完全優勝となりました。

☆秋まで待てない! 今後も要注目の選手たち

 「戦国東都」からはOBも含めて毎年多くの選手がプロ野球界へと進みます。今年も、来年以降もそれは続いていくことになるでしょう。

 今の東都をレベルの高いプレーで盛り上げ、プロでも活躍を期待したい選手を紹介します。プロで活躍する前に、間近で迫力あるプレーを堪能してみてください!

 まずは今秋のドラフト上位候補の國學院大・杉浦稔大投手。主戦として投げたのは3年生と早くはありませんが、以降は安定した成績で勝ち星を重ねています。制球力に優れて大崩れすることが少ない投手といえます。

▲安定した投球が光る、ドラフト上位候補・杉浦稔大投手(帯広大谷→國學院大)


 亜細亜大の九里亜蓮(岡山理大付)、嶺井博希(沖縄尚学)のバッテリーは下級生時から戦国東都を戦い、経験は豊富。九里投手は気の強さを前面に出したピッチングでしたが、それに冷静さがプラスされた印象を受けます。


▲エース・九里亜蓮(岡山理大付→亜細亜大)



▲大学日本代表常連の嶺井博希(沖縄尚学→亜細亜大)


 2部に所属している東京農業大からは陽川尚将選手(金光大阪)。高校時代に育成選手としてドラフト会議にて指名を受けましたが、大学に進学。当初は勝負強いバッティングで存在感を示していましたが、迫力や凄味が薄らいできた感も否めません。今春は打率.450、4本塁打の好成績を収めて首位打者を獲得。復活の兆しを見せました。

 その他にも立正大で正捕手を務める吉田裕太選手(日大三)、国士舘大のサウスポー岩崎優投手(清水東)など好選手が2部にもいます!


▲1部でまた勇姿を見たい吉田裕太選手(日大三→立正大)



▲まだまだこんなもんじゃないサウスポー岩崎優投手(清水東→国士舘大)


 3年生以下にも好選手が揃っています。

 現在3年生で一番注目を浴びているのが中央大・島袋洋奨投手(興南)。高校時代に甲子園春夏連覇を果たした左腕は、大学でも主戦として活躍中。


▲春夏連覇の輝きを取り戻しつつある島袋洋奨投手(興南→中央大)


 亜細亜大・山?康晃(帝京)は先輩好投手の陰に隠れて昨年までの登板機会は決して多くはありません。しかし今季は九里投手に負けず劣らずの存在感で一気にエース格へ。交通渋滞により球場入り、試合開始が遅れた一戦に先発して8回2失点。試合に敗れたものの、イレギュラーな状況下において安定した投球ができる精神力にも長けていることを証明しました。

 野手では駒澤大の江越大賀選手(長崎・海星)。鋭く、強い打球を飛ばせるパワーのあるバッティングが武器の右打者で、強打のチームの4番を務めています。今シーズンは序盤に当たりが生まれず苦しみ、長打も二塁打1本、そして5打点と物足りなさが残りました。

 さらに今年は1年生の活躍が目立ちました。

 大阪桐蔭時代に春夏連覇の偉業を達成した亜細亜大の水本弦選手。水本選手はクリーンアップの一角を担い、長打力のある打撃で強烈なインパクトを残しました。

 また、國學院大・久保田昌也選手(龍谷大平安)も1年生とは思えない貫禄と存在感を披露。チャンスメークあり、ここ一番での勝負強いバッティングもあり。打率は3割を超えました。


▲入学早々、存在感を示した久保田昌也選手(龍谷大平安→國學院大)


 1年生時から活躍する選手もいれば、上級生になり彗星のごとく現れて東都を担う中心選手になるプレイヤーもいます。今後の東都、1季たりとも見逃せません!

☆東都あるある・入れ替え戦あるある

 「あるある」に説明は不要ですね!
 「あるあるー!」「わかる!」と共感して頂けると嬉しいです!

♪特にファンではなくても六大学の結果を気にする♪ →本来なら東都は木曜日からが神宮の使用日とはいえ、火曜からスタートできるかどうか、気が気ではありません

♪やっぱり六大学ファンではないけど週末の天気が気になる♪

♪時折聞こえるバイオリンの音色♪
→ウルトラマンとともに…

♪中央大の応援がやけに耳に残る♪
→ハッチポッチステーション…

♪神宮大会は毎年寒すぎる♪
→11月の寒さで4試合目は辛いですね…

♪球場にいる見知らぬ人に「こんな平日の昼間っから野球見てるなんて何者なんだろう」と疑問を抱く♪
→相手もそう思っているはずです

♪神宮第二のファウルボールの跳ね返りが異常に速い♪
→ちゃんと振り返ってボールを追わないと直撃します

♪第二球場最前列で交わされる「(ファウルボール)来るよー!」という見ず知らず同士の声かけ♪
第二球場をわざわざ「ゴルフ場」と言う
→自分たちでそこまで悲哀感を漂わせなくても…

♪第二球場でのホームランに対する「あれは本球場でも入ってたな」という会話♪

♪「仕事、仕事、仕事仕事!」からの「ワーク、ワーク、ワークワーク!」♪
→送りバントの場面でよく使われますね。2部あるあるです

♪入れ替え戦初戦後に聞かれる「入れ替え戦は2戦目を取った方が勝つんだよ」♪
→主に負けたチームの関係者が言うセリフでしょうか

♪神宮に現れた2部優勝チームの応援団の規模が大きくて驚く♪
→第二球場は試合中に楽器を使用しての応援ができないので、本球場は応援する人たちにとっても特別な感じがします

 いかがでしたか? 「これもあるあるだと思う!」などあれば教えてください! 東都愛を持つ者同士で共感、共有していきましょう!


文=山田沙希子(やまだ・さきこ)/早い時期から東都大学の魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速。ナックルボールスタジアム主催のイベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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