24試合制で行われた2008年は、23試合を終えた時点で日本ハム、ソフトバンク、巨人、阪神が14勝9敗で並ぶ大混戦。しかも最終戦は、この4チームの直接対決となった。
その対戦カードは巨人対ソフトバンク、阪神対日本ハムだ。
この年は勝率で並んだ場合はまず「勝数」、それでも決まらない場合は「2007年度交流戦の上位チーム」から優勝チームが決められることになっていた。
2007年の交流戦の順位は1位・日本ハム、2位・巨人、9位・ソフトバンク、10位・阪神だったため、最終戦に日本ハムは勝てば優勝が決定。そして、日本ハムが負けた場合は、巨人、ソフトバンクの勝者が優勝という状況だった。
また、阪神は日本ハムに勝って、巨人、ソフトバンクが引き分けならば優勝。このように煩雑な条件の下、4チームすべてに優勝のチャンスが残されていた。
4つ巴の最終戦が行われたのは2008年6月22日。セ・リーグの本拠地でいずれも午後6時にプレイボールとなった。
阪神は4番の金本知憲が2打席連続本塁打を放つなど、終始、試合を優位に進め5対3で勝利。試合展開が早く8時49分にゲームを終えた。
この時点で巨人対ソフトバンクは2対2の同点。日本ハムが敗れたため、勝った方が優勝。そのまま引き分けなら阪神が優勝という状況で、ソフトバンクが9回表の攻撃に入る。
辻武史が巨人の守護神・クルーンからヒットを放ち、山崎勝巳のバントをクルーンがエラー。続く金子圭輔の送りバントで1死二、三塁とチャンスを広げる。
ここで本多雄一の二塁ゴロを寺内崇幸が本塁へ送球するもフィルダースチョイスとなり、辻が生還。これが決勝点となり、ソフトバンクが3対2で勝利。交流戦初優勝を飾った。
ちなみに今年のルールでは、勝率で並んだ場合、直接対戦の成績上位チームが1位となっている。2008年のソフトバンクの対阪神戦の成績は1勝3敗だったので、もし、今年のルールだったら阪神の優勝だった。
ラッキーな優勝を果たしたソフトバンク。しかし、交流戦で運を使い果たしたのかシーズン後半に失速……。1996年以来、12年ぶりの最下位に終わった。
2014年の交流戦最終戦もソフトバンクの相手は巨人だった。
首位・ソフトバンクをゲーム差なしの2位で追う巨人。引き分け以上でソフトバンクが優勝、巨人が勝てば逆転優勝という状況で最終戦を迎えた。
この大一番でソフトバンクの先発マウンドに立ったのは、この時点でプロ未勝利だった飯田優也。中田賢一がケガのため登板できず、緊急の抜擢だった。しかし、飯田は期待に応えられず、1回1/3を6失点でノックアウト。ソフトバンクは5対10で敗れ、巨人が逆転で2回目の交流戦優勝を達成した。
ちなみに、この年の巨人はリーグ優勝を果たしたものの、クライマックスシリーズで阪神に4連敗。日本シリーズ出場を逃した。
一方、ソフトバンクはリーグ最終戦で最後まで競り合ったオリックスを倒し優勝。日本シリーズでは4勝1敗で阪神を破り、3年ぶりの日本一に輝いた。
今年の交流戦もソフトバンクの最終戦の相手は巨人。今年も最後まで1位争いは激化するのだろうか?
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住の47歳。広告代理店運営、ライター、MC。生まれも育ちも北海道ながらホークスファン歴約40年。