「将来は大分に家を買って。庭に露天風呂をつくりたい」と語る田原誠次(巨人)が好きな湯布院(大分県)レベルの泉質とまではいかないが、最近のスーパー銭湯は温泉が珍しくなくなった。
ひところは人工温泉が散見されたが、現在は天然温泉が急増。なかには源泉かけ流し(浴槽内で循環ろ過させずに新しい湯を常に浴槽に注いでいる状態)が売りのところも出てきた。
もはや温泉旅行に出かけずとも、近所の銭湯で温泉を楽しむ時代になっている。
サウナ好きで知られる西山秀二(元広島ほか)は「水風呂は冷たいほどよい」と語り、千賀滉大(ソフトバンク)は契約更改の場で「水風呂をもっと冷たく!」と要求するほど、水風呂の温度は重要だ。
水風呂が苦手という方も多いだろうが、銭湯マニアの間では水風呂の温度は冷たいほど歓迎される傾向にある。
マニアの要望に応えるかのように、水風呂の温度が10度を下回った通称「シングル」も出現。一般的な水風呂の温度は多くが20度弱で、15度くらいで冬の海の様に感じるのだから、この温度は相当なもの。
さすがにこれは、水風呂好きの選手も悲鳴を上げるかも?
昔ながらの銭湯では風呂の温度は熱めになっているが、スーパー銭湯ではぬるめの高濃度炭酸泉が人気だ。
中でも人間の体温に近い36度前後のいわゆる「不感風呂」は、皆がじっくり入りすぎるために常に満員状態。時代は「熱い風呂に短時間」から「ぬるい風呂に長時間」へと変わった。
選手の自主トレも佳境に入り、キャンプインも目前に迫っている。選手それぞれ好みの入浴ライフがあると思うが、しっかりと体を癒してトレーニングに励んでほしい。
文=サトウタカシ (さとう・たかし)