ルイス・クルーズの退団が千葉ロッテマリーンズから発表された。
メキシコ出身のクルーズは、パイレーツ、ブリュワーズ、ドジャース、ヤンキースとメジャーリーグで4球団を渡り歩いたあと、2014年からロッテでプレー。
打撃では、打率は2割5分前後ながら、2014年が61打点、翌年も73打点と勝負強さを発揮。両年とも16本塁打を記録するなど、長打力も秘めていた。
そして打撃以上に光るのが守備だ。グラブトスやバックトスは日常茶飯事、柔軟なグラブさばきで流れるように打球を処理するクルーズの守備は、日本人野手にはなかなか真似できない華やかさがある。
2014年は、投手と捕手以外の内野全ポジションについたが、2年目の今シーズンは、ほぼ二塁手に固定。記者投票で決められるゴールデングラブ賞の二塁手部門では、次点の浅村栄斗(西武)に78票差をつけて選出された。
本人は引き続き日本でのプレーを希望。二塁手だけでなく、三塁手や遊撃手としても計算できるユーティリティ性の高さは魅力だ。
楽天が興味を示しているとの報道もあったが、スーパーサブの井端弘和が退団し村田修一の衰えも隠せない巨人、松田宣浩が海外移籍となれば三塁がぽっかり空くソフトバンクなど、内野手が補強ポイントとなる球団は多い。
今季の年俸の8500万円(推定)で、まだ31歳なら複数年契約を結んだとしても一気に衰えることはないだろう。勝負強い打撃に加え、あの観客を呼べるハイレベルの守備を考えれば、ある程度の条件面の上乗せがあっても納得感はあるのではないか。
来季も、あの鮮やかなフィールディングを見たいファンは多いはずだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)