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菅野智之が本塁打を打たれまくり! あの新人は2発。絶対的エースからかっ飛ばしたのは誰だ!?

文=勝田聡

菅野智之が本塁打を打たれまくり! あの新人は2発。絶対的エースからかっ飛ばしたのは誰だ!?
 巨人の絶対的エースであり球界ナンバーワン投手と言っても過言ではない菅野智之。昨シーズンは2年連続となる沢村賞を受賞するなど実績は申し分ない。しかし、そんな菅野に今シーズンは異変が起きている。

すでに被本塁打は13本


 今シーズンから巨人は原辰徳監督が再々登板しているが、開幕投手の指名は12球団でもっとも早く、昨年11月下旬のことだった。開幕戦の4カ月前に指名する絶対的な信頼感は、3年間にわたって現場を離れても揺らいでいなかった。

 開幕戦では7回1失点の好投を見せるも援護なく敗戦。しかし、2試合目の登板からは3連勝をマークし、この時点での防御率は2.12と例年通りの菅野だった。

 しかし、4月25日のヤクルト戦で青木宣親、山田哲人、バレンティンに3者連続本塁打を浴び、4回途中でまさかのノックアウト。その後は2連勝したものの、5月15日の阪神戦では6回途中でまさかの10失点(自責点7)。この試合で打たれた本塁打はなんと4本。今シーズン3敗目を喫している。その後、5月21日に登録を抹消された。

 菅野と言えど人間である。毎試合、絶好調で臨むことができるわけではない。しかし、短期間でこれだけの本塁打を浴びるのは明らかに異変と言っていいだろう。

 過去の被本塁打数の推移を見てもそれはわかる。昨シーズンまでは若干の投球回数の違いはあれど、被本塁打は10本から14本で収まっていた。しかし、今シーズンは例年の3分の1以下の投球回数にもかかわらず、13本の本塁打を打たれているのである。

■菅野智之のシーズン別被本塁打数
2013年:10本(176回)
2014年:12本(158回2/3)
2015年:10本(179回)
2016年:12本(183回1/3)
2017年:10本(187回1/3)
2018年:14本(202回)
2019年:13本(53回2/3)
(※カッコ内の数字は投球回数、2019年の成績は6月4日現在)

■菅野智之の今シーズン成績
8試合:5勝3敗/53.2回/奪三振47/与四球10/被本塁打13/防御率4.36

意外? 木浪聖也は2本塁打中2本が菅野から!


 菅野が今シーズン多くの本塁打を打たれていることはわかった。それではどんな打者に打たれているのだろうか。5月15日の阪神戦までの記録をまとめてみた。

■2019年 菅野智之から本塁打を放った打者
1本目:安部友裕(広島/3月29日)
2本目:ソト(DeNA/4月5日)
3本目:筒香嘉智(DeNA/4月5日)
4本目:山田哲人(ヤクルト/4月12日)
5本目:木浪聖也(阪神/4月19日)
6本目:青木宣親(ヤクルト/4月25日)
7本目:山田哲人(ヤクルト/4月25日)
8本目:バレンティン(ヤクルト/4月25日)
9本目:ロペス(DeNA/5月8日)
10本目:糸井嘉男(阪神/5月15日)
11本目:福留孝介(阪神/5月15日)
12本目:木浪聖也(阪神/5月15日)
13本目:大山悠輔(阪神/5月15日)

 一覧を見るとわかる通り、菅野から本塁打を放ったのは実績のある打者が多い。ソト、筒香嘉智(ともにDeNA)、山田、バレンティン(ともにヤクルト)と4人が本塁打王経験者。青木(ヤクルト)、糸井嘉男、福留孝介(ともに阪神)は首位打者、ロペス(DeNA)は打点王とタイトルホルダーがずらりと並んでいる。一流打者たちは菅野の「異変」を感じ取り失投を見逃さなかった、と考えられる。

 タイトルホルダー以外では安部友裕(広島)、大山悠輔、木浪聖也(ともに阪神)の3人がいる。

 そのなかで意外なのが木浪である。木浪は菅野から2本塁打を放っているが、今シーズンここまでに放った本塁打は2本。そう、菅野からしか打っていないのである。

 しかも木浪は新人。プロ入り後に菅野からしか本塁打を放っていないことになる。もしかしたら菅野に対する先入観を持っていないことが、功を奏したのかもしれない。

 そして、もう一つ。4月25日のヤクルト戦で3本、5月15日の阪神戦で4本と固め打ちをされるケースが2度もあった。打者の能力はもちろん必要だが、あきらかに失投の多い日があるということだろう。一流投手であればあるほど、試合中に修正しながら試合を作っていく。それがままならなかったのである。

 その要因はいくつか考えられる。これまでの勤続疲労による目に見えない疲れの蓄積、パフォーマンスの低下、相手チームによる研究の成果、もちろん故障の可能性だってあるだろう。しかし現段階において、それを特定することは難しい。今後の結果を見て判断していくことになる。

 交流戦期間中にも復帰が予想されているが、菅野は復調しているのだろうか。巨人の命運を握っている存在だけに、その出来は優勝争いを大きく左右する。

復帰後の菅野の投球内容、そして被本塁打数に注目したい。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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