高校野球の最前線をお伝えする本企画。先週はどんなニュースがあったのかチェックしていきたい。
大盛り上がりのドラフトの裏で着々と進む秋季大会。近畿大会は8強のうち5校が出揃った。
なかでも注目は大阪桐蔭と明石商の激突だ。1回戦、大阪桐蔭は19対1、5回コールドで立命館守山を下し、明石商は東山を8対3で退けた。猛打で復活を印象づけている大阪桐蔭に対し、夏からの勢いを持続する明石商。明石商のエース・中森俊介にとっても試金石の一戦になりそうだ。
「狭間ガッツ」で全国区になった明石商・狭間善徳監督は「めっちゃヤラシイ野球をする」と怪気炎を上げており、打倒・平成の横綱に闘志を燃やす。
また、智辯和歌山と智辯学園もそれぞれ勝ち上がり、準々決勝では“智辯対決”が実現した。4強に入れば、センバツ出場がほぼ当確となる近畿大会。大一番から目が離せない。
奥川恭伸(ヤクルト1位)をはじめ、3年生が抜けても勢いが止まらない星稜。北信越大会で圧巻の優勝を遂げた。1回戦こそ、高岡第一に5対3の接戦になったが、準々決勝では敦賀を10対2(7回コールド)、準決勝では佐久長聖を10対3(7回コールド)で下すと、決勝では日本航空石川を19対1と圧倒した。
投手陣が極めて優秀。昨夏の甲子園でも奥川を支えた荻原吟哉、寺西成騎が2枚看板となり、安定したゲームメイクを見せる。遊撃から捕手に再コンバートした主将・内山壮真も好リードを見せており、決勝戦では満塁本塁打もぶちかました。
これでセンバツ当確になり、3年生の忘れ物を取りに行く。体勢は整った。いずれにしても春は優勝候補として甲子園に乗り込むことになるだろう。
各地でセンバツ当確ラインを突破した高校をあらためて紹介しておきたい。
■北海道:1枠
優勝:白樺学園
■東北:2枠
優勝:仙台育英、準優勝:鶴岡東
■関東:4〜5枠
ベスト4:東海大相模、健大高崎、山梨学院、桐生第一
■北信越:2枠
優勝:星稜、準優勝:日本航空石川
■九州:4枠
ベスト4:創成館、明豊、鹿児島城西、大分商
文=落合初春(おちあい・もとはる)