2015年シーズン、絶対に球場で見ないと損する守備職人たち
開幕から早10日あまり。前評判の高かったチームがつまずき、そうでもなかったチームが健闘している。その要因はどこにあるのか? それを知るにはやはり球場に行って確かめるしかない! そこでオススメしたいのが『野球太郎No.014』の巻頭企画「絶対に“生でみるべき選手”名鑑2015――NMBP48【プロ10部門別】」だ。野球太郎が誇るライター陣と編集部で激論を交わし、各部門別に“生でみるべき選手”を選定している。
選ばれた選手が誰なのか? は本誌をご確認いただくとして、このコーナーではその選定過程の様子を余すところなく実況中継していきたい。3月27日に開幕したプロ野球の長いシーズンを満喫するために、一芸で魅了する選手から、総合力で胸をときめかせる超実力派まで、多種多様な選手を選抜した。特に、「今季」「球場で」という2つをキーワードに、名前が挙がってきた精鋭たちの素晴らしいパフォーマンスを、生観戦で目に焼き付けてほしい。
《“生でみるべき選手”は誰だ!?〜守備部門〜》
高橋 内野手はもう広島の菊池涼介で決まりでしょう。
──菊池はもう絶対的な存在の気がしますので、「意外とすごい!」という選手をぜひ挙げていただきたいです。
久保 その意味でいえば阪神の今成亮太! 僕好きなんですよぉ。たまたまテレビつけて「いいサードだなぁ」と思うと、今成なことが多くって。
──去年は捕手登録にもかかわらず結局90試合以上サードで起用されました。
久保 くるっと一回転してスローイングしたり、機敏な動きをします。本当にフルで使ってほしい選手です。
京都 阪神つながりでいえばセンターの大和! 去年のクライマックスシリーズは、もう神がかってましたよね。
──鳥谷敬が移籍した場合、オフに一時期、「センター西岡(剛)、ショート大和」なんて噂が流れてやきもきしましたが(笑)。外野手でいえば、駿太(オリックス)の肩と守備は魅力的です。
久保 確かに。大和の守備がいいのは、日本シリーズで一気に広まったことなので、期待感・お得感も含めて駿太の守備は推したいかも。まぁでも、強肩部門でリストアップすべきなのかもしれません。
京都 そう考えると、オリックスの外野陣は豪華ですね。
──ライトの糸井は間違いないとして、坂口智隆、T−岡田、そして駿太の誰がオリックス外野陣のレギュラーになるのか!? 今年のプロ野球の注目点の一つです。
久保 外野手でいえば、去年パッとしなかった西武の秋山翔吾には奮起してもらいたいですね。そう考えると、他部門も含めて西武野手陣のポテンシャルはすごいですね。これでなぜ下位予想が多くなるのか!? まあ、投手が……ということなのかもしれませんが。
高橋 ロッテの岡田幸文はどうでしょう? 途中出場も多いですけども、間違いなく守備でお金の取れる選手です。
──確かに岡田の守備範囲はちょっと別格です。ただ外野手のノミネートが多いので、内野手も挙げていただけますでしょうか。
蔵 選ぶべきというよりも、多くの人に見てほしいのはDeNAの山崎憲晴ですね。去年、ケガをして無理に出場した時にエラーをして、数字を落としてしまったんですけど、僕は一番上手いと思っています。ショートとして肩はあまり強くないけど、上手いと思います。アマチュアに見習ってほしい選手です。
京都 山崎は確かに上手いんですけども、今、新人の倉本寿彦の方が、評価が高いですからね。
──DeNAからは、筒香嘉智と倉本をセットで売り出したいという思惑がプンプンします。横浜高校セット!
久保 内野手というか、ショートに関していうと、ソフトバンクの今宮健太が過剰にもてはやされていますが、僕はオリックスの安達了一こそ、もっと多くの人に見てほしいショートだと思っています。たまに「えぇっ! なんでここで?」とやらかしちゃうことがあるのはネックなんですけども(笑)。そのへん、皆さんいかがでしょうか?
京都 今宮は身体能力に頼った上手さですよね。でも、5年後10年後、同じプレーができるかというと、そこは心配です。あと、ショートに関しては安達、山崎もいいんですけど、大引啓次(ヤクルト)も上手いと思います。大学時代からずっと変わらない選手です。
久保 上手さでいえばロッテ・クルーズのハンドリングが好きです。ヒジから下の柔らかさといったらもう! クルーズをショートにすればいいと思うんですけどね。
京都 去年、すごく長い距離のバックトスをしていました。新人の中村奨吾とどう使い分けるつもりなのかが気になります。セカンドでいうと、去年あまり良くなかったですけども、楽天の藤田一也の名前が出てないですね。
高橋 オリックスの平野恵一の名前も出てませんね。ケガがちなのがネックではありますけども。
蔵 東海大時代は平野のノックを見るのが試合前の楽しみでした。
久保 わかります! そして、その平野ですらプロではショートで通用しないというプロの世界とは一体どういうことなのか? いろいろと考えさせられます。
〈選定会議参加者〉
◯高橋安幸
1965年生まれ、新潟県出身。昭和時代の名選手インタビューを続け、『野球太郎』やweb Sportivaなどで現在も連載を持つ。ツイッターで取材後記などを発信中。アカウントは@yasuyuki_taka。
◯久保弘毅
1971年生まれ、奈良県出身。元アナウンサーという異色の経歴を持つスポーツライター。得意技は実況風ライティング。神奈川のアマチュア野球と全国の社会人野球に強い。ハンドボールライターの第一人者でもある。
◯京都純典
1977年生まれ。データ関係の仕事を得意とする野球ライター。『プロ野球本当の実力がわかる本2015〜セイバーメトリクスで見るプロ野球〜』 (日刊スポーツ出版社)の監修を務めた。中日ファン。
◯蔵建て男
人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。ネットスカウトの草分け的な存在で、プロスカウトとの交流も。Twitterアカウントは@kuratateo。
構成=オグマナオト
記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします