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センバツV右腕は打っても4番の好素材! 平沼翔太(日本ハム4位)の行く末は投手か、野手か?

 本誌『野球太郎 ドラフト直前大特集号』でお馴染みの「ドラフト候補&指導者マンツーマンインタビュー」。プロ注目選手と、指導した監督の証言で構成されるこの名物企画のなかから、今回は日本ハムから4位指名を受けた、平沼翔太(敦賀気比)と、東哲平監督のインタビューを紹介しよう。


●東哲平監督の証言

★最初の印象
 初めて平沼を見たのは中学2年生の時です。フォームがバラバラでしたけど、馬力はありました。ただ、平沼はピッチングだけではなくてバッティングの能力も高かったので野手でもありかな……とも思いました。体は強いし、高校に入ればすぐに試合に出られる資質はありましたね。

★投手としての足跡
 入学してすぐの春の大会は野手としてベンチ入りさせていました。その夏から本格的に投手として期待をしていたのですが、股関節を故障して思うようなスタートを切れなかったんです。ケガは仕方がなかったのですが、自分に甘いところも多かった。
 中学まで厳しい環境で野球をしたことがなかったので、当初はこちらもよく厳しいことを言いました。秋の県大会後半から投げられるようになって、そこから1年生大会で優勝。2年生になってからはスピードもついて、かなりよくなりました。

★転機となった2年夏の甲子園
 今思うと平沼にとっても気比高にとっても分岐点になったのは昨年の夏の甲子園、準決勝の大阪桐蔭戦だったと思います。あれだけ打たれて(6回途中で12失点)、本人も相当ショックだったみたいですから。それが今春のセンバツでは5試合を投げてほとんど点を取られなかった。優勝できた要因はキレのある真っすぐと、コントロールが良かったからだと思います。夏は疲労もあってそのキレがなかったけれど、投手としてよくここまで成長くれました。

★これから
 プロ側からは野手としての期待が高いようですが、投手ででも抑えられる力はあると思います。ただ、足りないものはたくさんありますね。本人はスピードにこだわりを持っていましたが、それぐらい高い部分に目標を置いてやって欲しいです。野手、投手どちらでも、しっかりやり切ってくれると思います。


●平沼翔太の証言

★兄について始めた野球
 小学校1年の時、2歳上の兄の影響で本格的に野球を始めたんですけど、実はサッカーをやりたかったんです。でも兄の背中を追いかけて続けて、バッテリーも組みました。

★中学時代は陸上も両立
 陸上をやったのも兄の影響です。兄は足が速くて中学の陸上部の先生に勧められて入部して、自分も同じように誘われました。足腰を鍛えられるから、というのがきっかけだったんですけど、練習はキツかったですね。
 野球もやっているのに強化合宿にも参加させられて、1日中走っていました。ただ、あれだけの練習をこなしてきたことが、今につながっている部分はあると思います。

★初の甲子園から最後の夏まで
 初めての甲子園は今思うと本当に楽しかったです。打線の援護もあって気楽に投げられて、調子もよかったですし。準決勝の大阪桐蔭戦で打ち込まれてから、全国制覇を意識するようになりました。その目標をセンバツで達成できたのはよかったですけど、それ以降は正直キツかったです。調子が上がらなくて、最後の夏は苦しかった。でも、打たれたことに悔いはないです。

★これから
 自分は甲子園で成長させてもらって優勝も経験したのに、最後の夏にまた負けた。だからプロの世界でまた結果を残さないといけないんです。高校に入る時も投手か野手かで悩みました。投手として結果は残せましたが、プロではどんな形でも一流選手になって活躍したいと思います。


※この記事は『野球太郎No.016 2015ドラフト直前大特集号』の「ドラフト候補&指導者マンツーマン・インタビュー」より、ダイジェストでお届けしております。

構成=野球太郎編集部

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