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林優樹は西濃運輸、加藤雅樹は東京ガス。指名漏れで涙を飲んだ選手たちの進路と展望をチェック!

文=落合初春

林優樹は西濃運輸、加藤雅樹は東京ガス。指名漏れで涙を飲んだ選手たちの進路と展望をチェック!
 2019年のドラフト会議で惜しくも指名を逃した逸材たち。彼らのこれまでの活躍、今後の進路をチェックしていきたい。

渡部雅也(日大山形高/捕手)


 東北屈指の好捕手といわれ、広角に打てる長打力と二塁送球タイム1秒8台の強肩で鳴らした渡部雅也だが、惜しくもドラフト指名はならなかった。侍ジャパンU-18代表の一次合宿では猛アピールをしたものの、同世代はインサイドワークに長けた捕手が多く、相対的に無骨に見えてしまったのかもしれない。

 ただし、打撃はドラフト指名された捕手に負けていたとは思えない。卒業後は東北福祉大への進学が内定している。プロ志望届を出していても受け入れる東北福祉大の懐の深さにも感服だが、全国大会常連の同校は多彩な投手がおり、捕手としてのスキルを鍛えるには十分な環境。「打てる捕手」として、4年後に花開いていることを信じたい。

林優樹(近江高/投手)


 2年夏の甲子園ではベスト4に進出し、まとまった好左腕の評価を得ていたが、やはり最速130キロ台のストレートではプロの食指もやや動きにくかった。それでも魔球・チェンジアップやスライダーを駆使した投球術は超高校級。そこは高校野球ファンの誰もが認めるところだろう。

 卒業後は社会人野球の強豪・西濃運輸に進む予定。林のような技巧派に必要なのは安定した結果だ。社会人でも己の投球術を証明し、線の細さや球速などは「問題ない」と思わせたい。

坪井悠太(大阪偕星学園高/投手・外野手)


 最速145キロのストレートにスライダー、ナックルのコンビネーションが武器の右腕。昨秋は「大阪ナンバーワン投手では?」と囁かれていたが、股関節痛や右ヒジ痛に苦しみ、アピールの機会がやや足りなかったか。打者としても3番を打ち、投打に高いセンスを見せていた。

 卒業後は渡米も視野に入っていたが、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスへの入団が決定。高校3年時のアピール不足分を取り戻すには絶好の舞台だ。

落合秀市(和歌山東高/投手)


 185センチ90キロの体格から最速148キロを叩き出す右腕。昨春に急浮上。日米スカウトを集め、隠し玉ではなくなった。しかし、支配下指名は得られず、「野球を引退して就職」を表明。その後、Baseball First League・兵庫ブルーサンダースへ入団する運びになったが、監督交代で一度白紙に。超一流といわれる逸材の今後に注目が集まる。

稲毛田渉(仙台大/投手)


 最速153キロのストレートに多彩な変化球を持つ仙台大のエース格。実力からいえば、指名されてもおかしくないレベルで、順位縛り(たとえば2位までに指名されたらプロにいく、3位以降ならプロではなく内定先に進むので指名しないでください、という非公開の取り決め)はなかったが、指名漏れとなってしまった。こればかりは巡り合わせが悪かったとしか言いようがない。今年は大学生投手が豊作だった。

 卒業後はNTT東日本に進む予定。あとは機が熟すのを待つだけだ。

加藤雅樹(早稲田大/外野手)


 2015年夏、清宮フィーバーに沸いた早稲田実で、主将・4番・捕手の大役を務めたイケメンといえば、思い出す人も多いのではないだろうか。早稲田大では外野に移り、2年春に首位打者を獲得。昨春も打率3割9分6厘、3本塁打、12打点を記録し、バットでアピールを続けたが、当落線上で惜しくも指名漏れを喫した。

 卒業後は東京ガスでプレーを続ける。調子の波をなくし、圧倒的な打力を見せることが評価アップのカギを握る。大学でも主将を務め、キャプテンシーは超一流。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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