今季、これまでの37試合で、二塁で先発出場した選手は以下の通り。
本多雄一:17試合
川崎宗則:8試合
明石健志:7試合
川島慶三:5試合
開幕から二塁を守ったのは本多雄一。ここ2、3年はケガに悩まされているが、昨季までの11年間で1206試合二塁を守るベテランだ。開幕戦では決勝タイムリーを放ち、お立ち台に立ったものの、好調は続かず8試合目に先発から外れた。
代わって二塁で出場したのは川島慶三。本多の不調もあり、左投手のときに先発出場の機会が増えている。
そして、4月23日の楽天戦から、ケガで出遅れていた明石健志が復帰。6番・二塁で先発すると、1打席目でヒットを放つ。その後もスタメンが続き、二塁だけでなく右翼でも出場。柳田が欠場した試合では代わりに3番を務めるなど、相変わらずのユーティリティーぶりを発揮している。
そんな日替わりの二塁争いに終止符を打つべく、4月28日のオリックス戦で1軍昇格したのが川崎宗則。シーズン開幕後にソフトバンクに電撃復帰した川崎は、2軍での13試合で打率.441と打ちまくり、満を持しての1軍昇格となった。
1対1の同点で迎えた7回にヒットを打つと、福田秀平のタイムリーで決勝のホームイン! さすがの勝負強さで存在感を発揮した。
「ムネリン効果」でこの後、チームは勢いに乗り、ぐんぐん勝ち星を伸ばす(川崎1軍昇格前:12勝11敗、1軍昇格後:11勝3敗)。首位の楽天が視野に入った。
それならば二塁のレギュラーは川崎で決定かといえばそうでもない。
久々の日本野球、そして、人工芝に戸惑いや疲労もあるようでここまでフル出場はなし。打率.267、1打点で盗塁はまだゼロだ。
2015年の出場数はメジャーで23試合、3Aで62試合、昨季はメジャーで14試合、3Aで102試合。メジャーからあまり声がかからず、3Aで先発出場が多かったことは多少のプラス材料かもしれない。しかし、35歳という年齢を考えると、今後も休ませながらの起用になるかもしれない。となると、現状の野手の控え6人のうち3人が二塁という状態がもうしばらく続きそうな気がする。
今季、二塁で出場した4選手は、川崎の35歳を筆頭に、33歳の川島、32歳の本多、31歳の明石と全員が30代。
4人とも頼りになる選手ではあるが、近い将来を考えると若鷹の突き上げも必要だ。昨季はベテラン3人が顔を揃えた捕手の1軍枠に、今季は24歳の甲斐が割って入り、開幕からずっとベンチ入りしている。二塁にも“ヤングホークス”が台頭してほしい。
毎年、1軍と2軍を行ったり来たりでなかなか1軍に定着できない牧原大成(24歳)や、入団4年目で育成から支配下登録された曽根海成(22歳)、高卒1年目ながらフレッシュオールスターゲームの推薦選手に名を連ねた三森大貴(18歳)らがベテラン陣を脅かす存在になると、ソフトバンクはもっと強くなる。
(成績は5月15日現在)
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住の47歳。広告代理店運営、ライター、MC。生まれも育ちも北海道ながらホークスファン歴約40年。先週西武ファンに鞍替えした息子と札幌ドームビジター席へ。浅村コールで拳を上げ、メヒアコールで飛ぶ。西武応援の運動量ハンパないなぁ! それにしても源田はいい選手ですね。