早稲田実からプロ入りし、「元祖・安打製造機」の異名を持つ榎本喜八がこの日の近鉄戦の第1打席で二塁打を放ち、わずか31歳7カ月で2000本安打を達成した。川上哲治(巨人)、山内一弘(広島他)に次ぐプロ野球3人目の快挙。過酷なトレーニングと野球の域すらをも卓越した打撃理論で安打を重ねた孤高の仕事人。多くの選手が「天才中の天才」と称する男が輝いた1日だった。