イタリアとならんでヨーロッパの2強を形成するスポーツ大国・オランダ。メンバーの大半を国内リーグ所属選手でまかなっていることからも、そのレベルの高さがうかがえる。
前回WBCでキューバを破り4強に進出した「大物食い」の本領は、この春の日欧野球でも発揮された。「オランダ・プラスアルファ」で構成されたような欧州代表は、ディエゴマール・マークウェル(国内リーグ)を先発にたて、主砲ユレンデル・デカスター(メキシカンリーグ)の本塁打で侍ジャパンを粉砕した(写真はオランダのエース、マークウェル)。
残念ながら、ソフトバンクで無傷の9連勝を記録したバンデンハークは参加しないが、WBCでノーヒットノーランを達成したシャイロン・マルティス(米独立リーグ)も参加予定。先発が役割を果たし、継投がはまれば、お家芸の「大物食い」も十分考えられる。
打線では、今シーズン半ば休業状態だったバレンティン(ヤクルト)が日本シリーズの状態から、どこまで復調できるか。ここぞとばかりに爆発すれば、予選を突破し、東京での準決勝まで進むことも十分に考えられる。
文=阿佐智(あさ・さとし)
1970年生まれ。世界放浪と野球観戦を生業とするライター。「週刊ベースボール」、「読む野球」、「スポーツナビ」などに寄稿。一発当てようと、現在出版のあてのない新刊を執筆中。ブログ「阿佐智のアサスポ・ワールドベースボール」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/gr009041)