【2018年夏の甲子園 富山みどころ】伝統ライバル校のエースがドラフト候補 定説を覆す潜在能力を持った酒井に期待
投手編〜ライバル校のエースが双璧
「今年は富山へ行く機会が増えそう」と複数のNPBスカウトが春先から口を揃えていたのは、山田龍聖(高岡商)、沢田龍太(富山商)、左右2投手の存在があってこそ。
山田はスカウトが一級品と絶賛したストレートを武器に昨秋公式戦4試合で奪三振率13.66をマークするなど大きく台頭。
注目度が一気に増した今季はやや本調子を欠いているが、この試練を自ら乗り越え、最後の夏に再び本領を発揮してほしい。
沢田は今春センバツの智辯和歌山戦で見せた熱投で評価が急上昇。
春季県大会準決勝でも完封勝利を挙げ、さらなる進化と精神力の強さをアピールしている。
やや変則的なフォームの特長を生かし、昨秋北信越大会の快投で一躍脚光を浴びた北山皓喜(富山国際大付)、今春県大会で21回3分の2連続無失点と成長の跡を数字で示した清水鴻(不二越工)、2年生ながら度胸満点の投球で存在感を示す木村太哉(高岡第一)、長身からの角度を生かした投球で、昨夏に続き今春県大会でも完封勝利を飾った上田陸斗(富山中部)など有望左腕の顔ぶれは多士済々。
横手からの切れ味鋭い投球が光る大島崇輝(高岡商)、それぞれ持ち味を発揮してチームを春4強に導く原動力となった中尾有槙(高岡第一)、山崎昴平、横川主眞(ともに南砺福野)ら最後の夏にかける好右腕たちの投球にも要注目だ。
また、公式戦での登板機会は少ないが189センチの長身、クセのないフォームからの投球に高い将来性を感じさせる高島裕生、1970〜80年代にヤクルト投手陣を支えた変則の名左腕・梶間健一を彷彿とさせる投球で昨年の練習試合で清宮幸太郎(現日本ハム)から空振り三振を奪った板倉桃也。
魚津工の左右2投手を隠し玉的存在として挙げておきたい。
野手編〜酒井の飛躍に期待膨らむ
野手筆頭は酒井啓佑(魚津工)。
ずば抜けたスピードと走塁センスに加え、今春以降は左方向への長打が増えるなど打撃の成長が著しい。
外野から転向1年目の遊撃守備でも対応力を見せるなど攻守両面でのポテンシャルの高さは県内随一。
「地方の無名公立校出身野手の大成は至難」とされる概念を覆してほしいと願うべく、さらなる心・技の成長に期待したい。
貴重な右の大砲候補として嘱望される石橋航太(富山商)は今春のセンバツ以降、やや苦心の打撃が続いている。
春季県大会全試合で4番を外れたことをカンフル剤にして、持ち前のパンチ力を復活させることができるか。
立ちはだかる壁を乗り越えてほしい。
シュアな打撃と対応力で高評価を得ている上野亘(富山国際大付)、今春から頭角を現してきた広浜虎威(富山商)、堀裕貴(高岡商)ら好打が魅力の3人の左打ち外野手。
広角打法に磨きがかり、攻守の要としてチーム浮沈のカギを握る杉村大地(高岡第一)、昨秋県大会で11打席連続出塁&7打数連続安打の快記録を残した豊田龍成(富山工)、高い守備力を誇る本郷凌羽(富山第一)らの実力派内野手。
昨春センバツで県勢初本塁打を放った筏秀生(高岡商)、今春に滞空時間の長い一発を左翼席へ運んだ八木拓弥(桜井)と強打の司令塔のプレーも富山の夏を熱くしてくれそうだ。
大会展望〜注目投手擁する両商が最有力!
センバツ出場の富山商と今春を制した高岡商の両商が2強を形成する。
富山商は春以降に新戦力が台頭、センバツで評価を高めたエース・沢田の踏ん張りに期待がかかる。
高岡商は注目左腕・山田に加え、右横手の大島が頭角を現し、2年連続の甲子園を狙う。
村本忠秀監督就任3年目で着実に戦力を伸ばしてきた高岡第一、昨秋北信越4強の富山国際大付が2強に肉薄。
春に躍進した南砺福野に不二越工、富山東、桜井、氷見、魚津、富山第一らも上位争いに絡んできそうだ。
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