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【成功の法則】育成下手と言われても「巨人×ドラ1」はスターへの道? そして西武の3位指名は……

文=勝田聡

【成功の法則】育成下手と言われても「巨人×ドラ1」はスターへの道? そして西武の3位指名は……
 プロ野球が開幕して1カ月ほどが経過した。と同時に高校野球では春季大会が開催され、大学野球では各地のリーグ戦が始まっている。10月に行われるドラフトに向け、張り切っている選手も多いことだろう。

 プロ野球の世界を目指すアマチュア選手たちは、少しでも高い評価をもらうために日々汗を流している。逆指名などがない現行のシステムにおいて、ドラフトは運の要素が強い。当然、指名を待つ選手たちは指名の行方をコントロールすることはできず、どこの球団に何位で指名されるかは神のみぞ知る世界である。

 本連載『新発見! 野球太郎的成功&失敗の法則』では毎回、プロ野球における様々な法則を導き出してきたが、今回はドラフトに着目。プロで成功する確率の高い球団と順位の組み合わせを探ってみた。

巨人のドラフト1位はやはりすごい?


 今シーズンの巨人は丸佳浩、ビヤヌエバの加入があり、昨シーズンに加入したゲレーロも復活。球界屈指の迫力ある打線となった。また課題であった中継ぎ投手陣は新外国人のクックが抑えに定着。中盤に不安はあるものの、抑えを固定できたのは大きい。直近の大型補強がある程度功を奏し、まずまずのスタートを切っている。
※クックは4月23日に右ヒジの検査のため、出場登録を抹消

 プロ野球の歴史を振り返ると、巨人はしばしば大型補強を行い「育成をしない」と揶揄されることも多かった。しかし、今シーズンのオーダーを見ると決してそんなことはないことがよくわかる。

 故障で離脱したものの、1番を任された吉川尚輝(2016年)、2番の坂本勇人(2006年高校生ドラフト)、4番の岡本和真(2014年)、捕手の小林誠司(2013年)と核になっている選手たちは自前のドラフト1位組。ドラ1で獲得した「金の卵」たちをしっかりと育て、戦力としていることがよくわかる。

 ほかにも菅野智之(2012年)、澤村拓一(2010年)、長野久義(2009年、現・広島)ら主力を担う選手もドラフト1位組だ。

 思い返せば、現監督の原辰徳(1980年)、槙原寛己(1981年)、斎藤雅樹(1982年)、桑田真澄(1985年)、松井秀喜(1992年)ら時代を彩ってきたスターたちもみんなドラフト1位だった。

 また、ドラフト初年度は堀内恒夫(1965年)、その2年後には高田繁(1967年)とドラフト制度が始まった直後から巨人はドラフト1位の選手をしっかりと育て上げてきた。

 確かに1991年のドラフト4位でオリックスに入団したイチロー(元マリナーズほか)のように中位、下位指名からスーパースターに羽ばたいた選手は多くないかもしれない。

 しかし、ドラフト1位という期待値の高い選手を育てるのもそれはそれで大変なこと。芽の出なかった各球団のドラフト1位の顔を思い浮かべてみれば、それはよくわかるはず。

 そんななか、巨人はドラフト1位の選手をしっかりと育てて、ものにしている。「巨人×ドラフト1位」はやはり注目の存在といえるだろう。

西武のドラフト3位は圧倒的な成功率


 巨人に続いては西武とドラフトの順位の関係を見ていこう。

 4月21日のソフトバンク戦でドラフト3位ルーキー・山野辺翔が1軍デビュー。初安打こそ生まれなかったが、押し出し死球で打点を記録した。これから外崎修汰や中村剛也といった主力と内野のポジションを争っていくことになる。

 そんな山野辺はプロとして成功する可能性が高そうだ。何故なら「西武のドラフト3位」指名の野手だからである。

 ここ数年、西武がドラフト3位で指名した野手の成功率は非常に高い。源田壮亮(2016年)、外崎修汰(2014年)、金子侑司(2012年)、駒月仁人(2011年)、秋山翔吾(2010年)、浅村栄斗(2008年、現・楽天)と主力選手の名前がズラリ。駒月こそ実績はないが、ほかの選手たちはバリバリの主力として昨シーズンの優勝に大きく貢献したメンバーばかり。

 もう少し遡ると、松井和夫(現・稼頭夫、1993年)、片岡易之(現・治大、2004年)も3位指名(片岡は3巡目)だった。このような名前を見ると、西武にドラフト3位で指名された山野辺に期待してしまうのも無理はないだろう。

 とは言うものの、まだ1年目の序盤。社会人出身とはいえ、結果がすぐに出るわけではない。長い目で見守りながら開花の時を待ちたい。

 巨人のドラフト1位も西武のドラフト3位も過去の成功率が高いのは間違いない。ほかにも高確率で成功している「球団×順位」の組み合わせはあるだろう。もしかしたら条件を加えていくことで、さらに「鉄板」の法則が導けるかもしれない。

 野球の楽しみ方の一つとして、「鉄板」の法則を探してみてはいかがだろうか。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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