可もなく不可もない。そんなスタートを切った今季のDeNA。交流戦ではどう戦っているだろうか。
初戦はドラ1ルーキーの濱口遥大が先発し、日本ハムに勝利。幸先のいいスタートを切ったが、実は昨季も初戦は白星を挙げている。そして、冒頭で述べた歴代最低勝率を記録した2015年も初戦は勝っているのだ。
交流戦にトラウマを持つDeNAファンとしては、初戦をものにしても、幸先のいいスタートとは信じきれない。2戦目から4連敗を喫したのちに3連勝を挙げたが、「序盤に連敗してからの3連勝」はここ3年、同じ展開だ。
勝敗数を見ると昨季は7勝11敗。負け越しのダメージを減らし、CS進出につなげることができた。
今季は6月12日時点で5勝7敗と粘っている。残る6試合で最低でも3勝を加えて、昨季の成績をわずかでも超えたい。いや、そんな弱気なことは言わず、再びのCS進出につなげるべく、交流戦勝率5割超えを狙いたい。
そのためには残り6試合を5勝1敗で勝ち越さねばならない。現実味に欠ける話と見る向きもいるだろうが、せめて4勝2敗で勝率5割に……。奮闘を期待したい。
主砲・筒香嘉智は未だ復調せず、チームは苦しい。しかし、そのなかで相手チームのデータ蓄積が少ない交流戦だからこそ持ち味を発揮した選手がいた。それは4番・筒香の後ろ、5番に定着せんとする宮崎敏郎だ。
驚異的に三振率が低く、ボールコンタクトの正確さが光る宮崎のバッティングは、対戦経験が少ない投手が相手なら特に効果的だ。
6月9日の西武戦では、3番・ロペス、4番・筒香が不発の中、西武のクローザー・増田達至から決勝の2ランをスタンドに叩き込み、存在感を見せつけた。残り7試合でも宮崎の役割は重大だ。
そして、筒香もなんとか残りの交流戦で力を発揮し、「日本の4番」の恐ろしさを見せつけてほしい。「DeNA、組みやすし」とのんでかかってくるパ・リーグ勢にひとあわ吹かせて、「交流戦に弱いDeNA」のレッテルを返上したいものだ。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)