唸りを上げるストレートとキレ味鋭いスライダーで周囲をざわつかせているのが菅原秀だ。145キロ以上をコンスタントに計測するストレートは、低めに構えた捕手のミットに到達するまでまったく垂れない。
また、同じ軌道から鋭く変化し、「消える」と評判の高い縦のスライダーも抜群。この組み合わせで3試合、5回を投げて被安打2、7奪三振を記録。課題のコントロールも四死球ゼロと上々な滑り出しを見せている。
右投手が右打者の懐に投げきるスキル。プロでも難しいこのスキルを持つのが森原康平だ。
この武器を生かし、2月16日のハンファ(韓国)戦ではMLB通算71本塁打の元メジャーリーガー、ウィリン・ロザリオを併殺打に仕留め、3月4日のDeNA戦では白崎浩之、シリアコ、宮崎敏郎の右打者3人をタジタジにさせて三者凡退に退けた。成績は5試合、5回を投げて1失点、2被安打、4奪三振。四死球はゼロ。こちらも好発進だ。
昨季、信頼できる救援左腕は金刃憲人1人だけだった。そんな窮状を救うべく、左のサイドスロー・高梨雄平も奮闘中。成績は5試合、7回を投げて被安打5、8奪三振、与四球3、3失点。ゴロ率が61%と高く、打たせて取る投球で開幕1軍入りに名乗りを挙げた。
その持ち味を象徴する場面があった。2月28日ソフトバンク戦。四球連発に安打で、いきなりノーアウト満塁に。ここで打席に迎えたのが今宮健太、柳田悠岐、明石健志。しかし高梨は、このそうそうたる実績を誇る3者を連続ゴロアウトに打ち取ってみせた。ゴロ凡打の間に三塁走者に2度の生還を許して2点を失ったが、内野前進守備なら無失点というシーンだった。
昨季の楽天は、救援陣の防御率が12球団ワーストの4.53。後ろが崩れて試合を落とすケースが目立った。再度の1軍合流を期待したい池田を含めて、リリーフ陣の再整備を解決すべくAクラスの最前線で活躍する「鷲の新人投手カルテット」を見ることができるかもしれない。
文=柴川友次
信州在住の楽天推しの野球好き。イーグルスに関するありとあらゆるデータの収集を標榜するデータマン&野球ブロガー。2,000人以上にフォローされているTwitterアカウントは@eagleshibakawa。