ソフトバンクの長谷川勇也が契約更改を行い、年俸2億円+出来高の3年契約でサインした。
2013年には打率.341をマークし、歴代5人目となるフルイニング出場での首位打者に輝いた長谷川。しかし今季は、2014年12月に行った「内視鏡による右足関節骨棘切除術および遊離体摘手術」の影響もあって、30試合出場でわずか19安打と成績を大きく落としていた。
ところが、逆風覚悟で臨んだ交渉では本人も驚きの好待遇。来季中に国内FAの資格を得るため、流出を阻止しようと、球団側が好条件を提示し先手を打ったのだ。
メジャーリーグ移籍を目指す松田宣浩、李大浩がチームを去る可能性がある来季。戦力ダウンが懸念されるが、長谷川が万全なら、仮に2人が移籍したとしても、柳田悠岐、内川聖一との強力クリーンアップが結成可能。他チームと比較しても、決して見劣りしないオーダーが組める。これまで以上に長谷川にかかる期待は大きい。
それに加えて、選手会長が松田から長谷川へバトンタッチされることも決まっている。12球団ナンバーワンの声出し番長・松田に対して、山形県出身で寡黙な職人タイプの長谷川。ある意味、真逆のキャラクターなだけに、どんなスタイルでチームを引っ張っていくのか、この点も非常に興味深い。
チームの3年連続日本一がかかる来季へ向けて、「143試合出続けられるように」と意気込みを語った長谷川。そのバットからコンスタントに快音が聞かれるようなら、大目標達成へグンと近付くだろう。
文=藤山剣(ふじやま・けん)