■今季の成績
9試合:打率.083(12打数1安打)/1本塁打/1打点/0盗塁
上林誠知が1軍に定着し、ソフトバンクの次なるロマン砲は「ミギータ」と呼ばれる真砂勇介だ。昨秋のWBSC U-23ワールドカップでは侍ジャパンU-23代表の4番に抜擢され、大会4本塁打でMVPを獲得した。
今季は内川聖一の故障でついに1軍デビュー。8月3日のオリックス戦で初本塁打をかっ飛ばした。2軍では92試合、打率.216、8本塁打とロマン砲らしい低打率ながら本塁打の多い成績になっているが、柳田悠岐らの成長曲線を見ると真砂もまだまだこれから。世代交代の波を起こしたい。
■今季の成績
78試合:打率.298(242打数72安打)/23本塁打/61打点/0盗塁
昨季も後半戦を中心に49試合で14本塁打をかっ飛ばした山川穂高が今季も夏から絶好調。8月の月間MVPを獲得し、現在は4番に座っている。
ただ、これだけの成績を残していても、山川はまだロマン砲といえる。2年連続で春に結果を残せず、今季は5月1日に2軍降格。1軍に上がってきたのは、7月8日で前半戦は結果を残せなかった。今の調子を通年で発揮できるようになれば、本塁打王などのタイトルも見えてくるはず。
ただ、来春はメヒア、中村剛也ら、現在不調の大砲も黙ってはいないはず。果たして彼らを押しのけることができるか。山川へのロマンは高まる。
■今季の成績
3試合:打率.000(11打数0安打)/0本塁打/0打点/0盗塁
今季は茂木栄五郎が楽天史上初の生え抜き2ケタ本塁打を記録し、島内宏明が2人目に名乗りを上げたが、続きたいのは高卒4年目の内田靖人だ。今季もじっくりと2軍で育成され、イースタン・リーグトップの18本塁打をマーク。チームの諸先輩から「ゴリラ」と呼ばれるほどパワフルなバットで楽天の歴史を塗り替えてほしい。
■今季の成績
62試合:打率.311(222打数69安打)/12本塁打/38打点/1盗塁
昨季はルーキーながら1番・指名打者で開幕スタメンをつかむと、63試合で打率.290、10本塁打の活躍で上々のデビューを果たした。今季は持病の腰痛で出遅れたものの、7月に1軍昇格を果たすと鬱憤を晴らすかのように打ちまくり、3番打者に定着しつつある。
公称173センチで体は大きくないが、その打球は爆発的な威力を持つ。森友哉(西武)などと並び、体が大きくない球児にも“一発”の夢を与えるロマン砲だ。山川穂高(西武)と同様に通年での活躍に期待し、まだロマン枠に留めておきたい。
■今季の成績
117試合:打率.260(423打数110安打)/15本塁打/46打点/5盗塁
昨オフ、巨人からトレードで日本ハムに移籍。トレード相手の吉川光夫よりも注目を集めたのは大田泰示だった。なぜなら大田は球界を代表する「未完の大器」だったからだ。
指導者、評論家、ファン、マスコミ、誰が見ても超人的な身体能力。ツボでとらえた打球は遥か彼方まで飛び、走れば「エヴァンゲリオン」のようなド迫力。巨人の練習を見学したラグビー日本代表ヘッドコーチ(当時)のエディー・ジョーンズ氏が「ラグビーに転向すれば3年で日本代表になれる」と惚れ込んだのは有名な話だ。
日本ハム・栗山英樹監督も大田に惚れた一人。北の大地で出場機会を掴んだ大田は真価を示しつつあるが、周囲の期待はこんなもんじゃない。これまでの評価を考えると30本塁打でようやく大成といえるレベルまで期待感は高まっている。
日本ハムでは2軍でイースタントップタイの18本塁打を放った大卒ルーキー・森山恵佑もロマン砲に仲間入り。大田に残された時間は少ない。
■今季の成績
33試合:打率.231(108打数25安打)/0本塁打/11打点/0盗塁
球界最重量級114キロの体躯を誇る「アジャ」こと井上晴哉は今季もブレイクならず。開幕スタメンをつかんだが、自慢の長打力を見せることができずに5月上旬に2軍落ち。2軍では51試合で打率.292、7本塁打、21打点。さらには出塁率.394の成績を残し、2軍レベルはクリアしているが、なかなか1軍で結果を残せない。
井口資仁が引退し、一塁のポジションはさらに空白地帯に。補強ポイントが山ほどあるロッテだが、井上が覚醒してくれれば、構想が立てやすい。「2軍の帝王」を量産してきたロッテだが、井上にはそうならないようブレイクしたい。
(成績は10月5日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)