昨季、大谷翔平が5登板に終わったこともあり、厳しい状況だった日本ハムの先発陣。大谷がメジャーに移籍し、昨季囁かれた「大谷がいれば……」の希望も持てなくなった。
まず、昨季の日本ハムの投手陣を投球回数順に挙げてみよう。
■日本ハム投手陣:投球回数トップ5
有原航平:169回
加藤貴之:120回
高梨裕稔:117.1回
メンドーサ:99.2回
上沢直之:91.2回
この投球回数は他球団とさほど差はないが、メンドーサは周知の通り、若返りを理由に昨年8月に放出。この春季キャンプで有原航平が右肩痛を発症し、開幕ローテーション見送りが濃厚に。現状では加藤貴之、高梨裕稔、上沢直之の3人しか実績ある投手はいない。残りの3枚は未定だ。
もちろんフロントも動いた。オフにはロドリゲスとマルティネスが加入している。この両者の働きが今シーズンの成績に直結するだろう。
ロドリゲスは2月24日の中日戦で4回を自責点0に抑えた。まずいフィールディングもあったが、マイナーでは年間100イニング前後をコンスタントにクリアしてきた投手。26歳の若さで日本での成長も見込める。
マルティネスは昨季、レンジャーズでローテーションに入り、111回1/3を投げた。ただ、3月4日のロッテ戦では3回4失点と崩れた。与四死球ゼロで完成度の高さは光ったが、セットポジションからの投球が単調になり、簡単に連打を浴びた。明確な修正点だろう。
この2人が先発に入ればイニングを消化する見込みは立つが、リリーフ陣では守護神の増井浩俊がFAでオリックスに移籍したため、代わりに新助っ人のトンキンが入る予定。
野手にはアルシアが加わり、レアードも入れて外国人枠は4枠。先発で2枠を使えるかは微妙だ。
現状、新助っ人を合わせて先発ローテーションを見込めそうなのは4人、残りは2枠。昨年要所で先発を任された村田透、そして斎藤佑樹も活躍してほしい存在だ。
また、上原健太、吉田侑樹、堀瑞輝らフレッシュな人材が飛び出してくることにも期待したい。とにかくこのなかから1人が先発ローテに定着することを願うしかない。
とはいえ、加藤、高梨、上沢も安心できるほどの実績はない。やはり、ロドリゲス、マルティネスの新助っ人2人を開幕ローテに入れ、有原の復帰を待つのが現実的か。
3枠の空白をどう埋めるか。案はあれど「これがベスト」と言い切るのは難しい。栗山英樹監督の決断に注目したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)