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2020プロ野球戦力分析〜広島東洋カープ/野球太郎No.34

2020プロ野球戦力分析〜広島東洋カープ
リリーフ陣が崩れ32試合に逆転負けを喫し、リーグ4連覇を逃す
CS進出に向け、佐々岡真司新監督の下、投打ともに再整備図る

チームバランス

 新たに佐々岡真司監督が就任し、2年ぶりのCS進出を目指すカープ。有意義な補強も行い、目標達成は難しくないだろう。

 昨季のチーム防御率はリーグ2位。投手陣全体では悪くなかったが、抑えの中?翔太が不振に陥るなど救援陣の形が崩れた。結果、"逆転のカープ"が32試合もの逆転負け。そこで抑え候補にDJ・ジョンソン、中継ぎ候補にスコットを獲り、再整備を図る。

 一方の野手陣は得点力が下降。リーグ3連覇を支えた1〜3番の形が崩れた中、西川龍馬の台頭はあったが、バティスタのドーピング違反による出場停止も響いた。それでもメジャー移籍を目指した菊池涼介が残留。メジャーで実績のある外野手のピレラも加入し、戦力は整備されつつある。

 ドラフトでは1位で大学生右腕の森下暢仁を獲得。最速155キロの速球に変化球の質も高く、開幕ローテ入りも狙える逸材だ。

投手陣

 先発陣はいずれも昨季11勝の大瀬良大地、K・ジョンソンで二本柱が確立。大瀬良は6完投とエースらしい活躍を見せた。三番手以降は6勝の野村祐輔、8勝の九里亜蓮、左腕で7勝の床田寛樹と続く。ほかに復調を目指す岡田明丈も候補だが、ドラフト1位ルーキーの森下は緩急が使えて制球力もあり、1年目からローテ入りしての活躍が期待される。

 救援陣は中崎が右膝手術明けで2軍キャンプ始動。出遅れる場合は左のフランスアが抑えとなり、新加入のDJ・ジョンソンも候補。中継ぎは一岡竜司、今村猛、菊池保則、遠藤淳志、島内颯太郎と駒がそろい、左は中村恭平。新加入のスコットも控えている。

 捕手陣は會澤翼がレギュラーで守りが安定し、打力も光った。控えはベテランの石原慶幸が健在で、若い磯村嘉孝も成長した。

野手陣

 昨季のチーム打率はリーグ3位で本塁打は4位。攻撃力は平均レベルだったが、得点は591。18年は721だったから、じつは130点も減少していたのだ。

 そこで、得点力を取り戻すためには、持ち前の機動力を存分に生かせるオーダーをお薦めしたい。まず1、2番は田中広輔、菊池涼介。田中広は昨年8月に手術した右膝が順調に回復し、打・走の復活が見込める。菊地とのコンビでチャンスを作り、西川、鈴木誠也、松山竜平の中軸につなぎたい。また、足のある西川、鈴木は盗塁技術を高めて成功率を上げたいところ。そして下位の6番はメヒア、7番は會澤で、8番に野間峻祥を置けば、上位につながりやすい。

 守りは昨季87失策で守備率はリーグ4位。田中広の不調の影響で遊撃全体で20失策と、鉄壁の二遊間が不安定に。外野は無難も、今季は内野の改善が課題だ。

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