3月に入り、オープン戦が毎日のように開催。いよいよ「野球のある日常」が戻ってきた感じがする。同時に、開幕投手候補たちのエンジンもかかり始めた模様。今回は3月1週目に動きがあった例を見ていこう。
3月5、6日に行われた、侍ジャパンvs.チャイニーズ・タイペイ。このうちナゴヤドームでの第1戦では、菅野智之(巨人)・大野雄大(中日)・小川泰弘(ヤクルト)の各投手がマウンドへ。開幕投手が濃厚な3人は、それぞれ無失点ピッチングを披露。1年後のWBCを見据えた上ではもちろん、20日後に迫った開幕戦に向けても良い結果を残した。
先発は菅野。3回を1安打無失点に抑え、奪った三振の数は4個。ほぼ完ぺきな内容で、大役を見事に務め上げた。
「本人にも伝えました。メッセです」
オープン戦のTV中継でインタビューに応じた指揮官は、その名を堂々と発表した。阪神・金本知憲新監督は、来日7年目の助っ人右腕・メッセンジャーを開幕投手に指名。若き剛腕・藤浪晋太郎も有力候補に挙がるも右肩への不安があり、一方のメッセンジャーは「自分が開幕投手だ」と大アピール。そのやる気を買わない訳にはいかなかった。
3月2、3日の京セラドーム大阪では、オリックス・金子千尋とロッテ・涌井秀章の両エースがオープン戦初登板。ともに開幕投手を何度も務めるスペシャリストだが、今回は明暗が分かれる形となった。
2日は金子が先発。初回こそファンがファウルフライを捕るハプニングから失点を喫するも、2回以降は圧巻の投球。計3イニングを1失点に抑えた。
(3月7日現在、★は公表済)
<セ・リーグ>
巨人(菅野智之)vs.ヤクルト(★小川泰弘)
@東京ドーム
阪神(★メッセンジャー)vs.中日(★大野雄大)
@京セラドーム大阪
広島(★ジョンソン)vs.DeNA(★山口俊)
@マツダスタジアム
<パ・リーグ>
楽天(★則本昂大)vs.ソフトバンク(★攝津正)
@koboスタ宮城
西武(★菊池雄星)vs.オリックス(金子千尋)
@西武プリンスドーム
ロッテ(★涌井秀章)vs.日本ハム(★大谷翔平)
@QVCマリンフィールド
文=加賀一輝(かが・いっき)