【2015夏の高校野球】《熊本観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
7月5日〜24日(藤崎台県営球場ほか)
熊本国府の西村はじめ右腕に好素材多し
夏の熊本制覇は勢いの秀岳館か伝統校か
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●二刀流・西村が見参
「投げっぷりがいい」と評判の西村雅暉(熊本国府)が右肩の故障を克服し、尻上がりに調子を上げている。春の九州大会こそ制球は定まらなかったが、無理のない調整を重ねたことで、夏本番では本来の姿が見られそうだ。打っても八代東戦で通算12号を放り込んでおり、二刀流を極めている。
今春、公式戦初先発で熊本国府相手に140キロ台の快速球を投げ込み5回無失点と観客の度肝を抜いたのは、2年生の堀江航平(秀岳館)だ。中学時代にU15侍ジャパン入りした逸材で、二塁手を経ていよいよ本領発揮しつつある。さらに同学年には肩の可動域が広く低めに球が走り出した有村大誠もおり、2人の2年生の勢いは止まりそうにない。
東海大星翔の両右腕も面白い。圧倒的な体格から146キロを計測した剛腕・村上友幸、快速球と鋭角スライダーでゲームメーク能力が高い江口駿希はともに潜在能力が高く、目が離せない存在だ。
また、今年の熊本は190センチ前後の大型右腕が多いことも特徴だ。スリークオーターから腕をしならせる平嶺悠斗(文徳)、捕手出身の中村晨(ルーテル学院)は、現段階では未完成な部分も多いが大化けする可能性を秘めている。
甲子園経験組に目を向けると、スピンの利いた球を投げる伊勢大夢(九州学院)、投打に勝負強さを発揮する山下篤郎(鎮西)も練習試合で好投。夏のバトルモードに照準を合わせている。
その他、センスが際立つ浦本千広(必由館)、キレのある球を投げ込む廣田直人(熊本工)、投球バランスが光る小田竜輝(第一)、強力なエンジンを搭載した西河誠之介(玉名工)も要注目だ。
▲西村雅暉(熊本国府)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●熊本工の左右大砲
伝統あるグレーのユニホームをまとった熊本工の左右大砲が迫力を増している。春先からサク越えを連発する右の深水裕貴にプロの熱視線が注がれると、1年夏から活躍する左のハードパンチャー・高木栄志も東海大星翔戦でド派手な一発を放り込み、他校の警戒レベルを引き上げている。
峰松直道(東海大星翔)の強烈なパンチ力も際立つ。今春も2試合連続弾を放つなど、4月末の段階で通算28本塁打。打ち出したら止まらないだけに脅威を感じる。
九州学院はセンバツで2安打をマークした友田晃聡、2年生スラッガー・松下且興に加え、大型の村上宗隆を1年生4番に抜擢するなど強力な布陣を整えている。
選手層の厚さでいえば、秀岳館からも目が離せない。就任2年目を迎えた鍛治舍巧監督の下、強靭外野手・永水秀樹、俊足巧打の原田拓実、抜群の長打力を誇る天本昂佑らがパワーを増し、個々の能力は間違いなく全国レベルだ。さらに攻守にセンス抜群の松尾大河がRKK旗大会から1番遊撃手として復帰したことも心強い。
その他、強打で相手を脅かす平川凌雅と深迫晃介の千原台コンビ、小柄ながら本塁打を量産している俊足外野手・福山晋(鎮西)、体の芯からパワーあふれる白石泰斗(宇土)、昨秋に2試合連続弾を放った園村祐生(八代東)、野球センス抜群の田端優樹(専大玉名)など楽しみな選手が多い。
▲深水裕貴(熊本工)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●戦力充実の秀岳館が一歩リードか
RKK旗を制した秀岳館に勢いが出てきた。この春、台頭著しい右腕・堀江航平ら2年生に刺激されるかのように左腕・楠本晃博や捕手・福原大希ら3年生も躍動。2、3年生が競い合ってきたことで戦力が充実してきた。春の熊本を制した熊本国府、幾度も決勝に進出している東海大星翔はともに複数の投手を擁しているだけに、いかに打線が援護できるかが夏制覇へのカギとなりそう。秋の九州王者・九州学院や伝統校・熊本工らもバランスが取れており、抜け出す力はある。
地区勢力ピラミッド
記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします