1月23日、第87回選抜高校野球大会(センバツ)の出場校が決定した。チームでは昨秋の明治神宮大会で優勝した仙台育英、選手では150キロを超えるストレートを投げる県岐阜商の高橋純平が注目を集めそうだ。また、昨夏の覇者・大阪桐蔭は過去4校が達成した夏春連覇に、龍谷大平安は春連覇に挑む。
3月21日の開幕が待ち遠しい今年のセンバツ。ここで改めてセンバツ過去の主な出来事を振り返ってみよう。
1924年に第1回大会が行われたセンバツ。甲子園球場がオープンしたのは同年の夏だったため、第1回は甲子園ではなく、名古屋の山本球場で開催された。記念すべき第1回大会には8校が出場。高松商が早稲田実を下し優勝した。山本球場はその後、国鉄が保有しJR東海野球部の練習場に。現在は取り壊されマンションとなっており、同地に「センバツ発祥の地」というモニュメントがその名残となっている。
センバツの風物詩と言えば、前年ヒットした曲が使われる開会式の入場行進だろう。戦前は軍歌、戦後は行進曲が使われることが多かったが、現在の形になったのは1962年。使用されたのは坂本九の「上を向いて歩こう」だった。坂本九は他にも1965年「幸せなら手をたたこう」、1966年「ともだち」と2年連続で入場行進曲となった。没後の2001年にはリバイバルヒットした「明日があるさ」も使われている。今回の入場曲はディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌「Let It Go〜ありのままに〜」。どのようなアレンジとなるか今から気になるところだ。
1973年、一人の投手が甲子園の主役になる。その名は作新学院の「怪物」こと江川卓。圧倒的な実力を誇るも甲子園出場に縁がない江川だったが、高校2年秋の関東大会で優勝し、翌春に初めて甲子園へ。その初戦となった北陽戦では、自慢のストレートで初回から三振の山を築き、終わってみれば19奪三振の完封と鮮烈な甲子園デビューを果たす。さらに続く小倉南戦では7回を投げて10奪三振。準々決勝の今治西戦は20奪三振と前評判通りの力を発揮。甲子園に江川フィーバーが巻き起こった。
そして準決勝の広島商戦。0―0で迎えた8回、一、二塁の場面で広島商は江川対策として練習を重ねてきたダブルスチールを敢行。捕手・小倉偉民の三塁送球が逸れる間に1点を失う。江川は11奪三振を奪うも、この1点に泣き0―1と敗退した。
この大会で江川が挙げた奪三振数は60。現在もセンバツ記録として未だに破られていない数字だ。
21世紀に突入した2001年に、野球の実力だけではなく学力優秀や困難を克服する、野球部での取り組みなどを評価した推薦枠「21世紀枠」が生まれる。その最初の出場校となったのは安積と宜野座だった。安積は初戦敗退に終わったが、宜野座はベスト4に進出し、その年の夏も甲子園出場と春夏連続出場を果たした。当初は2校だった21世紀枠は2008年から3校に増加。2009年には初出場の利府が宜野座以来となる21世紀枠でのベスト4に入る活躍を見せた。
今年の21世紀枠は豊橋工、桐蔭、松山東の3校。この3校の戦いも見逃せない。
※この記事は、週刊野球太郎が著作権その他の権利を有する記事コンテンツを、スポニチアネックスで配信したものです。