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ノムさんも絶賛! DeNA・今永昇太のプロ初勝利は、大学先輩捕手のリードがカギ?


 最下位にどっしりと腰を下ろしている横浜DeNAベイスターズ。しかし、戦績に反比例して観客動員は常に右上がり。これでAクラスに定着していたら…… と思うと、ハマっ子たちには歯痒い日々が続いている。

 そんなDeNAだが、暗い話題ばかりではない。筒香嘉智は現時点でもホームランキングの座をキープしているし、特筆すべきは駒澤大出身のルーキー左腕・今永昇太の投球内容である。

 大学時代は互いに鎬(しのぎ)を削り、同じルーキーとして開幕前から比較されていた原樹理(東洋大→ヤクルト)も、4月25日時点では4試合を投げて、0勝2敗。今永と同様に、プロ未勝利だ。さらに今永は4試合を投げて0勝3敗と、原よりも厳しい結果となっている。

ノムさんを唸らせたストレート


 しかし、今永の投球内容は、原よりも素晴らしいといえるだろう。注目すべきは防御率。負けが3つ付いているものの、防御率は2.39。原は防御率5.57で負けが2つ。チーム打率.244と最下位に喘ぐDeNAをバックに投げる今永の0勝3敗は、あまりにも酷な結果といえないか。

 今永の武器は、駒澤大時代から絶賛されている“三振がとれるストレート”。4月24日の対巨人戦での登板でも、あの野村克也氏をして「受けてみたい」と言わしめたストレートである。


正真正銘“大学ナンバーワン投手”


 柔らかくて弾力のあるフォームから繰り出される140キロ台中盤のストレートは、多くのスカウトから太鼓判を押され、アレックス・ラミレス監督も、交渉権獲得直後に「大学ナンバーワン投手を獲得できた」とコメントした。

 ドラフト1位の期待を一身に受け、シーズン前もキャンプ中からの試合を含め4試合に登板。オープン戦では17イニングを投げ、被安打11の3失点と好投。「プロ初勝利は時間の問題」のように見えた今永。しかし、シーズンに入ると、助っ人外国人を中心としたチームの貧打により勝ち星を逃してきた。

 これまでの投球内容から、まだまだ先発登板の機会は与えられえるに違いない。なにせ課題である打線の奮起が待たれるところ。またこの今永を「生かす」技量も必要だろう。

DeNA打線の奮起だけではない現状の課題


 野村克也氏は、同じ駒澤大の頃から女房役を務めてきた捕手・戸柱恭孝のリードに対して「ストレートに酔っている」と指摘していた。今永と戸柱が二人三脚で配球面を勉強することで、勝利への距離を縮めることができるだろう。

 ここまで波に乗れないDeNA。それでも多くのファンが連日、声を枯らして応援している。新人バッテリーが成長して、今永が初勝利を挙げる日は、いつになるかわからない。だが、これから10年以上もDeNAの中心選手として活躍する可能性のある2人を今は黙って応援しよう。

 まずは1日も早く、今永の輝かしいプロ1勝目の朗報を待ちたい(記録はすべて4月25日現在)。


文=元井靖行(もとい・やすゆき)

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