ブルーのユニフォームもすっかりなじみ、DeNAの選手として完全に定着した感があるロペス。ベネズエラ出身で、メジャー5球団に所属経験があり、2004年から2010年まではマリナーズの一員としてプレー。2005年にはチームメイトのイチローとともにオールスターゲームにも選出されている。
日本でのキャリアをスタートさせたのは2013年で、いまでは当時の印象は薄いが、最初は巨人だった。
来日1年目こそ打率.303と及第点の数字を残すも、2014年には.243と下降。毎年、多くの外国人選手の加入と離脱がある巨人だけに、この年限りで自由契約となってしまう。そこに手を差し伸べたのがDeNAだったのだ。
なお、巨人時代には「第77代4番打者」として起用されたこともあったが、3試合で11打数1安打と期待に応えられず。ちなみに、DeNAの指揮官であるラミレス監督は巨人の「第74代4番打者」で、511試合に渡ってその重責を努めたただけでなく、その間の打率は.308と上々の数字を残している。
DeNAの看板打者といえば、やはり筒香嘉智の名前が最初に挙がるだろう。しかし、シーズン序盤、なかなか調子の上がってこない筒香をフォローするように安定して打ち続けていたのがロペスだった。
打撃3部門では上で触れた打点だけでなく、打率.303、27本塁打で、いずれも筒香を上回っており、7月以降は、ほぼ4番に座りきっちり仕事をこなしている。
チームは現在3位で、2位の阪神と4.5ゲーム差、4位の巨人と2.5ゲーム差。CS進出へ向けて、まだまだ予断を許さない状況だ。
昨季の9月は20試合で12本塁打、26打点と大爆発だったロペス。自身初の大台となる100打点越えとタイトル奪取へ向けて、ここからもう一段ギアを上げていきたい。
(数字は8月30日終了時点)
文=藤山剣(ふじやま・けん)