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岩本勉(日本ハム)が初本塁打! 松坂大輔、涌井秀章ら交流戦で打棒を炸裂させたパ・リーグの投手たち

交流戦パ・リーグで最初のホームランを放った日本ハム・岩本勉

 交流戦が始まって約1週間。開幕カード初戦では巨人のエース・菅野智之が楽天打線につかまり8失点を喫するなど、今年も波乱含みの様々な出来事が起きている。

 そんな交流戦で見られる貴重な光景といえば、セ・リーグの主催ゲームでの打席に立つパ・リーグのピッチャーたちの打撃だろう。

 5月に入ると交流戦対策としてパ・リーグのピッチャーたちが打撃練習を行うのは、この時期の風物詩といってもいい。高校時代に強打者として鳴らしたピッチャーにとっては、自慢の打撃を披露する場なのかもしれない。

 過去の交流戦においてバットで活躍したパ・リーグのピッチャーたちをプレイバックしてみよう。

交流戦最初のホームランを放ったパ・リーグの投手は?


 交流戦で初めてホームランを放ったのはパ・リーグの投手は岩本勉(元日本ハム)だ。交流戦初年度の2005年、5月21日の巨人対日本ハムでの一発だった。

 この日は、日本ハムの先発・江尻慎太郎が4回途中でマウンドを降り、岩本は2番手として登板。そして 5回表、そのまま打席に立った岩本は巨人の先発・野間口貴彦の投じた甘いボールを強振。打球はそのままレフトスタンドに吸い込まれていった。

 試合は日本ハムが7対7の同点に追いついたものの6回裏、岩本がローズ、小久保裕紀に連続本塁打を浴び、勝ち越されてしまう。日本ハムは終盤の追い上げも及ばす、9対10で敗戦。岩本はシーズン2敗目を喫した。

 また、交流戦でパ・リーグのピッチャーが放ったホームランといえば、松坂大輔(当時西武、現ソフトバンク)の一発も忘れられない。

 横浜高時代は主軸を打ち、西武時代の2000年には代打でタイムリーを打つなど、もともと打撃には定評があった。その松坂が交流戦でホームランを打ったのは2006年6月9日の阪神戦のことだった。

 8回に打席に立った松坂は、ダーウィンの投じた高く外れたボール球を強引にフルスイング。左中間スタンドに着弾する2ランとなった。投げては阪神打線を1失点に抑える完投勝利。高校時代に活躍した甲子園で、投打にわたって躍動した。

涌井は交流戦で猛打賞


 その松坂の横浜高の後輩、涌井秀章(当時西武、現ロッテ)も交流戦で打棒を炸裂させる。2010年5月15日、高校時代に慣れ親しんだ横浜スタジアムでの横浜戦だった。

 2回、2死二塁で打席に立った涌井は横浜の先発・三浦大輔からライト線際にポトリと落ちるタイムリーを放つ。さらに3回の第2打席、2死満塁のチャンスで高めのボールを左中間へと運び、走者一掃のタイムリー2ベース。涌井の一打で西武は8対0とリードを一気に広げた。

 涌井の好打はまだまだ続く。8回表、無死一、二塁の場面で涌井に送りバントのサインが出る。しかし、バントを2度失敗し、カウントは1ボール、2ストライク。ここで涌井はバントの構えを見せ、誰もがスリーバントだと思った。

 ところが涌井はバットを引き、バスターを敢行。打球はきれいにサードの右を破りレフト前へ。涌井の一打で勢いづいた西武はその後、2番・栗山巧の押し出し四球、3番・中島裕之(現・宏之、オリックス)の2点タイムリーでトドメを刺し、12対3で圧勝。涌井は4打数3安打4打点と打者顔負けの活躍だった。

 翌2011年も交流戦での5打数2安打の打率.400と結果を残したが、2012年、2013年は主にリリーフ登板だったため打席には立てなかった。2014年のロッテ移籍後は、2015年の1安打を最後に安打は出ていない。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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