【2016夏の高校野球】《栃木観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月9日〜24日(宇都宮清原球場ほか)
春Vの文星芸大付の左腕二枚看板に注目
夏5連覇中の作新学院は強打で巻き返し
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●文星芸大付の左腕2人が中心に
昨年末、北関東選抜の豪州遠征に参加し、さらに成長した佐藤良亮(文星芸大付)が中心となる。ゆったりしたフォームから来る落差とキレのあるスライダー、場面に応じて力の入れどころを見極めた投球術は一級品。春の大会で本格派の海老原丞が成長したのも好材料で、左の二枚看板で9年ぶりの優勝を目指す。
ストレート派右腕の板垣理音(青藍泰斗)は外角低めへの制球が素晴らしい。今までの「暴れ球」のイメージがなくなり、安心して見られるエースになった。そして春の大会で2年生の石川翔が最速145キロのストレートとキレを武器に好投した。右の二枚看板が切磋琢磨し、26年ぶりの聖地に挑む。
水野敦之(白鴎大足利)は140キロ超えのストレートと低めへのスライダーが武器だが、立ち上がりの安定感に課題を残した。中軸を担う強打者でもあり将来性は十分だ。同じ右腕で主将を務める伊澤京佑も粘りの投球でチームに流れを引き寄せる。
今井達也(作新学院)は春は投げなかったものの、秋に144キロを出したストレートには威力がある。制球を磨いて夏に挑みたい。
その他、右腕ではフォークが冴える鈴木悠介(矢板中央)、波をなくせば伸びる永沢楽(佐野日大)、4番も打つ本格派の大関竜登(真岡工)も実力あり。左腕では大関と二枚看板を担う上野隼輝(真岡工)、カドへの制球が光る宇賀神陸玖(作新学院)、1年時から評判の平山大輝(高根沢)に注目。
▲佐藤良亮(文星芸大付)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●注目の韋駄天、最後の夏
全国中学生大会短距離2冠の超快足・五十幡亮汰(佐野日大)が最後の夏を迎える。冬から遊撃手にコンバート、持ち前の強肩も武器で「三遊間の当たりをアウトにできるのは彼しかいない」と松本弘司監督も信頼を寄せる。走攻守に野球センスが存分に垣間見え、この夏一番の注目を集めるだろう。
作新学院は今年も選球眼がよく勝負強い打者がずらりと揃った。昨夏の大会首位打者で中学日本代表に選ばれた藤野佑介、秋の大会首位打者の小林虎太郎をはじめ山本拳輝や山ノ井隆雅など左打者が先発に多く入る。その中で4番を任されたのは右打者の小島寛生。春の大会で左中間に2試合連続本塁打を放ち開花。大いに期待が注がれる存在になった。
青藍泰斗は1年夏の大会で本塁打を放った野口翔、変化球打ちがうまい山ノ井豪成が高打率でチャンスに強い左打者に成長し、3〜4番を担う。春を制した文星芸大付は出塁率の高い1番・橋浦悠斗をはじめ、白倉僚、小野貴照のセンターラインが攻守で要となり、ロースコアの接戦をものにする。
そして2年生で4番を打つ注目選手を2人挙げたい。秋智也(白鴎大足利)は右の長距離打者。中山貴史(佐野日大)は中学時世界少年野球大会優勝メンバーで、打撃もさることながら、183センチの長身から角度あるストレートが魅力の本格派左腕でもある。
他には春の大会首位打者の山下涼太(栃木工)、下級生から実績を残す寺島大貴(國學院栃木)、県立進学校で文武両道に秀でる右の長距離砲・浅川司(栃木)などに期待したい。
▲小林虎太郎(作新学院)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●文星・作新・青藍の3強中心
文星芸大付、青藍泰斗は春の大会で完投できる2番手投手が育ち、総合力が上がった。打力が脅威の作新学院はバッテリーの強化が6連覇へのカギとなる。この3校が中心となるだろう。追うのは投打に県内屈指の好選手がいる白?大足利や佐野日大、投打にまとまる矢板中央、多彩な攻撃が売りの國學院栃木など。県立勢では左右二枚看板が強力な真岡工や、関東・東北豪雨でグラウンドなどが被災する困難を乗り越え春ベスト4に進出した栃木工が上位をうかがう。
地区勢力ピラミッド
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