【週刊野球太郎特別表彰】全日本大学野球選手権で輝いた男たち!
『第63回全日本大学野球選手権』が6月10日から6日間、神宮球場と東京ドームで行われた。“神奈川勢対決”となった決勝戦で東海大(首都大学リーグ)が神奈川大(神奈川大学リーグ)を2-0で破り、13年ぶり4回目の優勝を果たした。ちなみに、13年前の優勝時には久保裕也(現巨人)がエース、1番・遊撃手に平野恵一(現オリックス)が活躍したチームだった。
[写真:高木遊]
【決勝戦ゲームレポート】
東海大 000 010 100=2
神奈川大 000 000 000=0
[東]吉田侑樹、芳賀智哉−大城卓三
[神]濱口遥大−中浦大海
波乱の多かった今大会(詳細は
「今週の野球みどころランキング」にて)の決勝戦に勝ち上がってきたのは、ともに高い投手力と勝負強い打撃がウリの両校。その前評判に違わぬ緊迫した試合にケリをつけたのは東海大の大城卓三(4年・東海大相模高)だった。
今春、リーグ戦で首位打者を獲得した勢いそのままに今大会でも打ちまくり、決勝戦でも全得点を叩き出す大活躍。守っても吉田侑樹(3年・東海大仰星高)と芳賀智哉(3年・聖光学院高)両投手を好リードし、完封リレーを後押しした。
東海大はリーグ戦を14戦全勝で優勝を決めており、これで公式戦18連勝。一気に頂点へ駆け上がった。
一方、敗れた神奈川大は2回戦で慶應義塾大(東京六大学リーグ)を破り、ベスト4は22年ぶり、そして初の決勝進出を果たし、野球部の歴史に名を刻む準優勝。昨秋のリーグ戦5位から大躍進を遂げた。
▲今大会大活躍した大城卓三(写真左)と、主将としてチームをまとめあげた新谷淳[写真:高木遊]
【表彰選手】
◎最高殊勲選手
大城卓三(東海大4年/東海大相模高)
◎最優秀投手
吉田侑樹(東海大3年/東海大仰星高)
◎首位打者
大城卓三(東海大4年/東海大相模高)
◎敢闘賞
濱口遥大(神奈川大2年/三養基高)
◎特別賞
田中正義(創価大2年/創価高)
《週刊野球太郎・特別表彰》
【ベストコメント賞】
◎愛知学院大・源田壮亮[主将](4年・大分商高)
「(終始涙が止まらず)4年生がしっかりすれば、勝てた試合でした。本当に悔しい。でも、神宮で4試合もできて……こうしてたくさんのお客さんの前でプレーできて……。これを見て神宮にまた来たい、と後輩が思ってくれたら、役割は果たせたと思います」
[選出理由]
泣きながらのコメントだったが、そのコメントの節々に主将として、そして人間としての“芯”を感じた!
※個人としても攻守に活躍し、日本代表選考合宿(20日〜神奈川・平塚球場で3日間)に追加招集されることが決まった。
【ベスト応援団賞】
◎福井工業大 [写真:高木遊]
[選出理由]
とにかく声の“量”。人数の少なさを感じない、熱のこもった圧倒的な声量は選手の背中を押した。「いつの日か福井から日本一へ」という目標のもと、部員全員が戦っていた。
【チーム特別賞】
◎静岡大 [写真:高木遊]
[選出理由]
今大会、国公立大学唯一の出場。しかも、複数の選手が教育実習の最中での出場だった。しかしながら、試合前夜に合流した稲葉瞬が4打数2安打を放つなど、1-2と東日本国際大に善戦。試合後のコメントも言い訳は一切無しの清々しさ!
【新人賞】
◎東海大・下石涼太(1年・広陵高)
[選出理由]
広陵高時代はエースとして活躍。特に、2013年センバツで済美高・安樂智大と延長13回の死闘を演じたことは記憶に新しいが、東海大入学後、野手に専念。名門大学で、1年春からレギュラーを奪った、まさに走攻守三拍子揃った選手でセンスの塊。今大会も全試合スタメン出場し、巧打や好守を見せた。
九州産業大・井手亮太郎(1年・九産大九州高)
[選出理由]
今秋ドラフト候補の浜田智博(4年・宮崎工高)を筆頭に、高良一輝(2年・興南高)、森川祐至(2年・熊本商高)と続々、好投手を登板させた九州産業大が、今大会最後に投入したのがこの右腕。サイドハンドからMAX147キロの浮き上がるようなストレートを連発。同大学の投手層の厚さを再認識させられた。
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。ブログ・高木遊の
『熱闘通信』は随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
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