春季大会では2回戦で都立の昭和高に2対6で敗れ、ジャイアントキリングを食らってしまった早実。そのため、夏のシード権を獲得できず、抽選前から苦戦が予想されていた。
しかし、抽選の結果、なんとラッキー(?)なことに優勝候補の日大三高、東海大菅生高の2強とは反対側のヤグラに入り、比較的消耗を抑えられるポジションになった。
それでも3回戦から明大明治高、4回戦ではシード校の日野高と対戦する可能性が高く、気の抜けない展開になることは間違いない。そして、いずれにしても4回戦以降は強豪校が続々。各校とも、死ぬ物狂いで打倒・清宮に挑んでくるだろう。
今年の清宮の舞台はダイワハウススタジアム八王子(八王子市民球場)と神宮球場。早実が勝ち上がった場合の日程は以下の通りだ。(雨天中止などで順延、変更の可能性あり)
≪1回戦≫ 7月10日 9:00 ダイワハウススタジアム八王子
≪2回戦≫ 7月14日 12:30 ダイワハウススタジアム八王子
≪3回戦≫ 7月16日 10:00 ダイワハウススタジアム八王子
≪4回戦≫ 7月18日 10:00 ダイワハウススタジアム八王子
≪準々決勝≫ 7月21日 12:30 神宮球場
≪準決勝≫ 7月25日 12:30 神宮球場
≪決勝≫ 7月27日 13:00 神宮球場
メディアから大注目の清宮。1年春から活躍がスポーツニュースで報じられるなど、早い段階から“スター”としてロックオンされていた。
筆者は昨夏、準決勝の八王子高戦を生観戦した。その際、女友達と一緒だったのだが、スタンド下で飲み物を買っていると、腕章をつけた東スポの記者が近づいてきて、女友達に取材を試みていた。
その内容は至って簡潔。
「もしかして清宮ギャルですか?」
「いえ、違います」。女友達が答えると、記者は「そうですか……」と寂しげに去っていったが、めげることなく他の女性にも話しかけ、清宮ギャル捜しを続けていた。
お年寄りやチビッ子に大人気の清宮だが、注目度がさらに高まった今夏は清宮ギャルの出現があってもおかしくない。東スポの執念は、今年こそ実るのか!? 生観戦の予定がある女性ファンはぜひともジャニーズのような団扇を作っていってほしい。
昨年は「4番・捕手・イケメン」の三拍子揃った加藤雅樹(現・早稲田大)が主将としてチームを率い、大いに注目を集めたが、今年も早実には「清宮に負けてはいられない」と闘志を燃やす逸材が多く存在する。
今年、早実を主将として率いるのは、金子銀佑(3年)。昨夏の甲子園では5番・遊撃手で全試合安打を記録している。168センチと小柄ながら、右方向にも本塁打を打てるパンチ力を持つ。守備力にも定評があり、全国クラスの遊撃手。頼れるキャプテンは、今年は1番打者として打線を牽引する。
また、早実には今年も“スーパー1年生”が出現。それが野村大樹(1年)だ。大阪福島シニア出身。中学時代にはUー15アジアチャレンジマッチで日本代表にも選出された実力派で、4月末から早くも4番に座っている。
今大会の背番号は「5」。清宮が勝負を避けられる場面もあるだろうが、プレッシャーに打ち勝ち、清宮のように名実ともに“スーパー1年生”であることを証明したい。
エースナンバーは吉村優(3年)が勝ち取った。最速134キロ、低めに集める投球が持ち味。打撃戦が多い西東京大会を制するには、吉村の粘りが必要不可欠だ。
春からの逆襲、2年連続の夏の甲子園を目指す早実。今夏も清宮は躍動できるのか!? 次回に続く!
文=落合初春(おちあい・もとはる)