2007年:1校
2008年:5校
2009年:11校
2010年:5校
2011年:9校
2012年:4校
2013年:7校
2014年:5校
2015年:2校
2016年:4校
この10年の場合、夏の甲子園での「初夏通じての初出場校数」は年平均で5.1校。出場校が増える記念大会を一度挟んでいるが、単純に出場49校として計算すると毎年約10パーセントが春夏通じての初出場校となる。
確率としては一瞬、低く感じるかもしれないが、毎年10パーセントは初出場校で、初出場校ゼロの年がない、というのは、あらためて高校野球の強豪校の入れ替わりの激しさ、競争の厳しさを示しているようで興味深い。
次にセンバツにおける「「初夏通じての初出場校数」を見てみよう。
2007年:7校
2008年:4校
2009年:1校
2010年:6校
2011年:6校
2012年:4校
2013年:8校
2014年:6校
2015年:4校
2016年:3校
センバツも初出場校ゼロの年はなし。年平均だと4.9校が春夏通じての初出場校。夏同様、記念大会など出場校数が変わる年もあるが、出場32校を基本として単純に計算した場合、割合は16パーセント。夏よりは若干、確率は上がる。
しかし、この10年間は21世紀枠などの特別枠が採用されている期間でもある。21世紀枠を批判するわけではないが、実力、結果以外の内容が考慮される余地が大きいのは確か。そこで特別枠での初出場校を抜いた数を調べると以下のようになる。
2007年:4校
2008年:2校
2009年:0校
2010年:4校
2011年:3校
2012年:2校
2013年:5校
2014年:4校
2015年:3校
2016年:1校
見ての通り、一般枠での春夏通じての初出場校に絞ると数はグッと減り、出場校ゼロの年もあった。年平均は2.6校。出場32校とした場合の割合は8パーセントである。
センバツは都道府県によっては一度負けても敗者復活戦などが設けられているケースもあるが、一方で各都道府県の上位チームが出場する地区大会での上位進出、好結果が求められる。それだけにやはり甲子園未経験校が勝ち抜くのはなかなか難しいのだろう。
そう考えると、かつてセンバツの出場経験は多いが夏の甲子園出場はない、というチームの典型だった国士舘や二松学舎大付が、ともに秋も地区大会がなく都道府県大会で完結する東京の高校であることは、なんとなく示唆的である。
以上の結果を踏まえると、若干の差ではあるが、悲願校が「卒業」を狙うのは、やはり夏が有利。この夏、いくつの卒業校が出るかを楽しみに待ちたい。
文=田澤健一郎(たざわ・けんいちろう)